妊活ストレスを解消する良い事3つのジャーナリング

妊活ストレスを解消する良い事3つのジャーナリング

不妊で悩んでいるとストレスを抱えてうつっぽくなってしまうというケースが

少なくありません。不妊治療中の場合は心身症レベル・軽度うつ状態といったレベルまで

ストレスフルになってしまっている人が大半といわれています。

そのストレスがさらに妊娠しにくさを助長してしまうのですから

妊活中のストレスへのケアは欠かせないですね。

 

ポジティブ心理学から見た悲観主義と楽観主義

ポジティブ心理学のマーティンセリグマンによると心の状態、幸せは自分で変えられるという点。

悲観主義ほど物事はうまくいかず、楽観主義ほど成功してしまうと言います。

妊活でも同じ。

じぶんはダメだ。全て台無しになってしまう。

どうすることもできない。きっとうまくいかない。

こんな悲観主義で物事を考えていると、うまくいくものもうまくいかなくなってしまうので

妊活中にこんな状況に陥っていたら危険です。

 

ポジティブ心理学によると、悲観主義は病気を重くし、楽観主義は回復を助けるという研究が幾つも積み重なっているそうです。

そして、「学習性」楽観というのは言葉の通り、生まれつき楽観的だったかという事よりは、

楽観主義を意識して身につける事で、その方法についても研究されています。

 

悲観主義だと、孤独で病気になりやすく死亡率も高まる

ストレスが体にとって良くない事というのはなんとなくわかりますよね。

でもその影響が出てくるのはずっと先だと思われていて、

まだまだ今の妊活中にとってそれほど大きな問題として捉えていたり

改善しなくてはと取り組むという事も少ないのかもしれません。

しかし、ストレスが病気を引き起こし、死亡率を高めるという事は

単純に細胞は劣化しダメージを受けているし、うまく修復できていないという事にすぎません。

特に悲観主義の場合は日常生活にも影響が出てきます。

 

セリグマン博士は、ポジティブ心理学を研究する前に、悲観主義について研究していた時期があり、

1960年代に「学習性無力感」という現象を発見した研究者3人のうち1人でしたです。

「学習性無力感」とは、どれだけ手をつくしても悪い状況を変えられないとわかったとき、

人は何も行動しなくなる、という現象のことです。

つまり、無力感を感じて行動しなくなるのです。

人が物事の成果を受け取るとき、どんな行動をしてきたか、その賜物が結果になります。

成功法則も同じです。

何を考え、どう行動したかで結果がでますよね。でも、心の中に無力感が高まって

いろいろ行動できなくなってしまったら、

妊娠して赤ちゃんを授かっていくという事につながりません。

こういった学習性無力感日常生活でも生じる心理学的現象なのです。

たとえば、何をやっても症状がよくならないと、健康のための努力をやめてしまうかもしれませんし、

夫婦の問題を抱える人は、何をやっても関係を変わらないと努力をやめてしまうかもしれません。

これらの人たちは、最初から悲観的なわけではなかったかもしれません。

しかし、自分が何をしても状況は変わらないということを「学習」してしまい、

無力感を抱くようになったのです。

特に、過去にトラウマを抱えていたり、何をやってもうまくいかないといった事にさらされていると

学習性無力感に陥りやすく、さらに負のスパイラルに陥りやすくなります。

 

学習性楽観をもっていると健康でうまくいく

悲観主義の場合は、無力感から行動をやめてしまうけれど、

楽観主義の場合は、行動をやめないという研究結果もあります。

そのため、人は前向きにものごとに取り組めるよう、妊活中もリセットなどで

無力感やあきらめに囚われないようにしていくために、

学習性楽観を身につけていくとよいのです。しかも、そのための方法なども研究されています。

 

学習性楽観を身につけていると免疫力も高く健康的です。

なぜ、なのかその理由もわかっています。

 

■楽観主義者は行動的である
楽観主義者は、「自分で何とかできる」と考えて、実際的な行動を起こすことができます。

悲観主義者は問題を「仕方ない」「神のおぼしめしだ」などと考えて行動しない。

 

■楽観主義者は仲間が多い
楽観主義者は友達が多い。サポートも多く受けられる。

悲観主義者は孤独である。

 

■楽観主義者は免疫が強い
楽観主義者の血液は、免疫反応が強くTリンパ球が多い。

また悲観主義者は炎症性物質インターロイキン-6の分泌が多く、そのせいで風邪にもかかりやすかった。

また楽観主義者は血液をドロドロにする肝臓のフィブリノゲン反応が小さい。

 

妊活ストレスを解消し前向きに行動できる自分になる

悲観主義の場合は、楽観主義になるよう学習していくこと、

物事のとらえ方を変えていく必要性があります。

そのためにできる方法の1つをご紹介します。

うつ病になりやすい、うつ傾向になりやすい人に共通の特徴として、

どんなことでも悪く捉えてしまいがちな悲観主義であるという点があります。

何でもないことや幸福なことにさえ、不妊で悩んでいる自分には幸せなことがない、

当たり前のことは当たり前で喜びではないなど、自分が不幸な事ばかりを探そうとしてしまう。

自分には不幸なことばかり起り、自分はうまくいかないと考えてしまっているのです。

悲観主義に陥るとあらゆることがストレスの原因となってしまい、

些細な事にも傷つきやすく、周りが自分を苦しめてくる、自部のことを考えてくれない、

といった事も感じやすくなります。

またうつ病や自律神経失調症など「心の病」の原因となってしまう事もあります。

ストレスというのは認知の問題です。物事のの考え方を変えて

悲観主義から抜け出すことがとても大切だといわれています。

そのための方法の一つ、「Three good things」良いことを

3つ見つけて日記のように記録するを実践しましょう。

 

妊活ストレスの解消に Three good things

セリグマンの研究によると、Three good thingsを1週間続けるだけで、

その後半年間にわたって幸福度が高まり、抑うつ症状が改善される傾向があらわれるといわれています。

たったこれだけでこの先の幸福度が高まりストレス度が軽減されるなんてすばらしいですよね。

しかも方法はいたって簡単です。

就寝前にその日あった良いことを3つ紙に書くだけ。大きなことでも、小さなことでも、

良かったと自分が思うことであれば何でも紙に書いて記録することを1週間続けるだけです。

特にうつ病の予防や改善に効果があるといわれています。

良かったことを思い浮かべるだけでなく、あえて日記のように紙に記録するのは、

しっかりと記憶に残していくという意味もありますし、いつでも読み返すことができ、

なんどもポジティブな回路を太く強くしていくために役立つからです。

どうしても気分が落ち込んでしまう、良かったことがみつけられなくて自暴自棄になってしまう、

というときには過去の自分を振り返ってどんなものが心の中に蓄積してきたかを

見返してみましょう。

 

まとめ

どんなに不妊でなやみ、良い結果がでず、苦しい時でも日々の生活の中に

喜びや幸せ、楽しさ、嬉しさは見つけられるものです。

楽観主義は学習して手に入れられるものでもあります。妊活中は誰でもストレスを抱えやすいし

人生のコントロールが効かなくなってしまったかのような無力感にも襲われやすいですね。

だからこそ、自分のコントロール方法を知り、実践していくことで

心の健康はもちろんの事、結果体の健康や妊娠を現実化させていくための

行動を継続させることがポイントなります。

特に妊娠って生活習慣の改善が非常に重要になります。

自分の心や体が健康的になるための行動を止めないようにすることで授かりやすさに

つながっていきますよ。

 

参考文献

Volume 10, Number 4, Jan-Mar 2017, Pages: 363-370The Efficacy of Well-Being Therapy for Depression in Infertile Women

・Gourounti K, Anagnostopoulos F, Vaslamatzis G. Primary appraisal of infertility: evaluation of the psychometric properties of a Greek version of the Appraisal of Life Events scale (ALE) in a Sample of infertile women undergoing fertility treatment. Women Health. 2010; 50(7): 688-704.

 

・Litt MD, Tennen H, Affleck G, Klock S. Coping and cognitive factors in adaptation to in vitro fertilization failure. J Behav Med. 1992; 15(2): 171-178.
・Bleil ME, Pasch LA, Gregorich SE, Millstein SG, Katz PP, Adler NE. Fertility treatment response: is it better to be more optimistic or less pessimistic?. Psychosom Med. 2012; 74(2): 193-199.
・Lancastle D, Boivin J. Dispositional optimism, trait anxiety, and coping: unique or shared effects on biological response to fertility treatment?. Health Psychol. 2005; 24(2): 171-178.

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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