流産の兆候って?妊娠後の流産の種類や原因

流産は全妊娠のうち約15%で起こるといわれ、決して珍しいものではありません。
流産の兆候は、出血や腹痛の他にもさまざまにあり、つわりや妊娠初期症状にも変化がみられます。
しかし、流産の種類によっては自覚症状なしの場合もあります。
ここでは、流産の兆候について、流産の種類や原因、処置の方法なども含めて解説します。
流産とは
流産とは、エコー検査でお腹の赤ちゃんを包む「胎嚢(たいのう)」を確認後、
妊娠22週未満に妊娠が中断することをいいます。
流産は誰にでも起こるリスクがあり、すべての妊娠のうち約15%の確率で発生します。
母体の年齢が高くなるにつれ、発生率は高くなり、40歳以上では25%にも達するといわれています。
流産の多くは、心拍確認できずに早期流産だと診断されるケースです。
そのため、心拍確認ができれば安心だと一般的にいわれていますが、
技術的進歩により、経腟エコーによる心拍確認後の流産率は全流産のうち16~36%とされ、油断はできません。
また、流産は妊娠初期に起こるイメージが強いですが、
安定期と呼ばれる妊娠中期(妊娠16週~27週)にも起こることがあります。
流産の兆候・症状とは?
流産の兆候としてどのような体の状態になるのでしょうか?
出血(鮮血、茶色、薄いピンク色)
お腹の痛み
お腹の張り
つわりが急に楽になった、なくった
胸の張りがなくなった
体温が下がった
破水
お腹が冷たい
などさまざまな兆候があります。ここで紹介する兆候・症状は、正常妊娠の場合もみられることがあり、
流産との判別が難しいかもしれません。気になる症状があらわれたら、
自己判断せず、産婦人科で赤ちゃんの状態を調べてもらいましょう。
流産における兆候 出血
さまざまな流産の兆候として取り上げられるのに、不正出血がありますが見極めは難しいのが現状です。
例えば、着床するときに少し出血する場合があります。
着床による出血の場合、おりものに少し血が混じる程度の量です。
進行流産では、子宮内膜が剥がれることで出血が起こります。生理に似た茶褐色や鮮血の不正出血ですが、
通常の生理よりも出血量が多く、長期間、出血が続きます。
また、血の塊やゼリー状の白い塊が一緒に出てくることもあります。
不正出血と同時に、陣痛のような下腹部の痛みを伴うことが多いようです。
一方、妊娠超初期から妊娠6週くらいまでに起こるとされている化学流産では、
一般的に生理時と同じくらいの量の出血がみられます。
そのため、妊娠検査薬を試していなければ、生理だと勘違いしてしまう可能性が高いでしょう。
なお、流産にいたっていない切迫流産では、進行流産に比べて不正出血の量は少ないとされています。
出血量が少なくても「大丈夫」だと思い込まず、産婦人科で診察を受けましょう。
また、不正出血はその他の病気の兆候として出ている可能性もあります。
子宮がんや、クラミジア、ポリープなど、何か異常をきたしている可能性があるので、不安な場合はすぐに受診しましょう。
流産の兆候 お腹の痛みや張り・腰痛
受精卵が着床し、妊娠が成立すると、子宮は赤ちゃんの成長とともに大きくなっていきます。
そのため子宮が引っ張られるような痛みや、チクチクとした痛みを感じることもあります。
これらの痛みは断続的には起こらず一時的な症状として現れます。
また、妊娠初期には、正常妊娠でも下腹部痛やお腹の張り、腰痛が起こりやすいといわれています。
子宮が大きくなることや、ホルモンバランスの変化によって便秘になることで起こるものです。
しばらく安静にして治まるようであれば心配いりません。
しかし、陣痛のような下腹部痛やお腹の張り、腰痛があらわれたら、流産の兆候の可能性もあります。
お腹の張りと痛みがしばらく休んでも症状が治まらない、周期的に起こる、茶色いおりものや出血を伴うといった場合は要注意です。
流産の兆候 おりものが変わる
後期流産の原因のひとつである絨毛膜羊膜炎は、重症化すると、おりものから悪臭がするようになります。
おりものの変化とともに、陰部のかゆみや発熱があらわれる場合もあります。
流産の兆候 基礎体温が下がる
妊娠すると、妊娠を持続させる作用のあるプロゲステロンの分泌量が増え続けます。
プロゲステロンには体温を上げる働きもあることから、基礎体温は高温期を維持します。
一方、流産してしまった場合、プロゲステロンの分泌量が減るため、基礎体温は下がります。
ただ、基礎体温は正常妊娠でも妊娠13週頃から徐々に下がり始め、妊娠20週頃には低温期の体温に戻るといわれています。
そのため、基礎体温が下がったからといって流産かどうかはわかりません。
不安であれば、受診しましょう。
流産の兆候 胸の張りがなくなる
妊娠初期症状のひとつに、胸の張りがあります。
もしも胸の張りが急になくなった場合、流産の兆候かもしれません。
しかし、つわりと同じく、胸の張りがなくなっただけでは流産とは判断できません。
流産の兆候 つわりが突然なくなる
受精卵が子宮内膜に着床すると、絨毛という組織が子宮内膜に根を張りめぐらしながら、胎盤を作っていきます。
この時、絨毛からはhcgホルモンが分泌されます。
つわりのピークが妊娠8週から10週あたりであるのと、
hcgホルモンの分泌量のピークが同じ頃であることからつわりの原因のひとつと考えられているようです。
つわりは妊娠12週~16週頃に徐々に治まっていく人が多いとされています。
ただし、つわりが終わる時期は一概には言えないうえ、終わり方も「朝目覚めたら終わっていた」などさまざまです。
そのため、つわりが突然なくなっても、流産しているのではなく、単につわりが終わっただけの可能性もあります。
出血等の他の症状と合わせてみてみないと、つわりがなくなっただけで流産かどうかは判断できません。
流産の兆候 頭痛
流産を経験した方の中には、流産が発覚する数日前から激しい頭痛やめまいがしたというケースもみられるようです。
ただし、頭痛やめまいが流産の兆候や症状だと医学的に証明されているわけではありません。
妊娠初期はホルモンバランスが急激に変化するため、妊娠初期症状として頭痛やめまいが起こりやすい状態になっていため、
流産前にたまたま症状があらわれていただけという可能性もあります。
流産の兆候 赤ちゃんの成長が遅い
通常、妊娠していた場合、生理予定日が妊娠4週0日で、5週目には超音波で胎嚢が確認でき、
6週目には胎嚢も大きくなって赤ちゃんの心拍が確認できます。
生理予定日の誤差もありますが、妊娠数週のわりに胎嚢が小さい、
また、妊娠8週あたりを過ぎても赤ちゃんの心拍が確認できない場合、流産となる可能性が高いです。
3.まとめ
流産の兆候の症状をお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。
流産は、全妊娠の約15%の割合で起こっています。
そして流産全体の8割は12週目までの妊娠初期の段階で起こります。
また、自覚症状がまったくなく、いつの間にか流産していたというケースも多くあります。
そのため、流産が起こっても、自分を責め過ぎないでくださいね。流産後は、自分の心と身体をケアすることを第一に優先しましょう。