流産・死産・子宮外妊娠のストレスが不妊の原因 |

流産・死産・子宮外妊娠のストレスが不妊の原因

流産や死産、子宮外妊娠など、赤ちゃんを心から望む方には

非常に苦しい体験となるものです。

私自身、2度の流産を経験しているからこそ余計に思うのですが、

流産をした時というのは、かなり心身ともに強いストレスがかかったという経験があります。

 

ストレスが妊娠の維持に影響し、流産を起こしてしまうという事もありますが、

さらに、体験した流産や死産、子宮外妊娠などが次の妊娠に影響してしまうという

悪循環を起こしてしまうことがあります。

ストレスと不妊について、また解決していく方法をみていきましょう

 

ストレスと不妊

ストレスを抱えると妊娠しにくくさせるためのメカニズムが働き始めます。

・ストレスホルモンによる細胞の劣化→卵子の劣化

・ホルモンバランスを乱す→月経周期・基礎体温の乱れ

・自律神経を乱す→ホルモンバランスの乱れ、子宮内血液の逆流

・血流を悪くする→杯への酸素供給不足

・免疫バランスの乱れ→炎症体質・抗体をつくる

 

不妊に関わらず、ストレスが妊娠に関係するかを調べている研究では、

唾液中のストレスホルモン(コルチゾール、αアミラーゼ)と妊娠までにかかる時間(TTP)を

前方視的に調査したところ、唾液中のαアミラーゼがTTPと有意に相関することを示しました。(1

つまり、ストレスが妊娠しにくさに関係し妊娠までの時間がかかってしまう事を示しています。

急性および慢性のストレスによって、交感神経から副腎髄質を活性化させ、

血液中のノルエピネフリンが増加するため唾液中のαアミラーゼが増加します。

そのためストレスの指標となります。

 

不安やよくうつといったストレスから不妊ループを回避

妊活中は様々な事でストレスを感じることでしょう。

なかなか妊娠しないこと、ストレス、夫のサポート不足などにより「不安」「抑うつ」がうまれます。

孤独感を感じたり、頑張っているのは私だけとなってより不安感が高まったり、うつっぽさを

感じてしまう部分も増えてしまいます。(2)

不安は漠然としたものから、原因があるものまで様々ですが、この不安が強いほど、

ストレス度が高まるので、次の妊娠率低下に影響してしまうのです。

そのため、不安などについて心理療法により改善することが可能とも言われています。

 

専門家からも、不育症など繰り返す流産には心理的ストレスがかなり

影響するという事が示唆されています。

そのため、メンタル的なサポートやアプローチを強化した場合、妊娠率がたかまるといわれています。

 

不安を感じるとストレスから不妊リスクがたかまり、不妊がまた不安を呼んでと

ストレスと不妊の悪循環が産まれてしまうのを心理的なサポートで改善していき

悪循環を回避していきましょう。

 

心理的なサポートは体外受精でも重要

2014年4月までに発表された体外受精における心理的サポートによる介入をしている

39論文2746名のメタ解析した研究では、(3

心理的要因(主に「抑うつ」と「不安」スコア)は0.59倍に有意に改善し、

妊娠率は2.01倍に有意に増加しています。

特にここでいう心理的サポートプログラムは認知行動療法やカウンセリングなどで、

それは男性より女性により有効でした。

自然妊娠だけでなく体外受精においても心理的なサポートや物事のとらえ方を変えて

ストレス度を減らしたり不安感を減らす取り組みは有効に働きかけてくれています。

 

悲しみ体験を抱え込んだままにしないで

本当に苦しい体験をつらかった、苦しかった、なんで私がそんな目に・・・

信じられない、どう立ち直っていいのかわからない、

いつまでもどうしてあのまま産んであげられなかったのだろう

そう考えてしまい続けていると、

心が受けた傷はトラウマ化してそれが感情の臓器である子宮の

トラブルとなってなかなか赤ちゃんをすくすくと育て上げて

出産にまで行くことができないとなってしまいます。

 

悲しみ、苦しみ、つらさを抱えているほど、

赤ちゃんを授かるという事を望みながら、いつも不安や恐怖心でおおわれている場合は、

どうしても自律神経やホルモンなどの内分泌、免疫などにも影響し、

結局は妊娠しにくい状態を体に作り上げていってしまいます。

 

心のトラブルだからこそ甘く見ると怖い

心の問題だから、どうしようもない。現実は何もかわらないのだし、

そっとしておいて欲しい。

そんな気持ちもあるでしょう。

つらくても妊娠したいから突き進むしかない。

体外受精だって、受けてさえいれば受けていればきっといつか・・・

そう思われているかもしれません。

心のトラブルははっきりと目で見える形で体に影響しているのがわかりにくい点があります。

 

でも、今まで色々なかたの話を聞いて相談を受けてくる中で、

過去の経験は同じでも、それをどのように乗り越え、捉え方を変えてストレス

コントロールを行うようにしていくとその後の妊娠し、さらに順調な経過をたどれるよようになり、

大きな違いがある事を切に感じています。

 

ストレスが赤ちゃんの生命に影響

母体がストレスを感じていると、受精後胚が育っていく過程で

赤ちゃんにに血液を供給する子宮内膜から伸びるラセン動脈を

収縮させてしまい、酸素の供給が滞ってしまいます。

そのため生命を維持できなくなってしまいます。

赤ちゃんへつながる血管は初期の内は母体の方の自律神経の影響を受けるため、

母体がストレスにさらされて交感神経が優位になる事で

血管を収縮させてしまうという事がおきてしまいます。

 

そのため、子どもが欲しいと思っている女性が妊娠しやすいようにするには

まずメンタルケアができていることが最重要と言えるでしょう。

 

 

繰り返す流産に確立された有効なケアとは

流産を繰り返すご夫婦に対して、有効性が高いケアとして確立されているのに

テンダーラビングケアというのがあります。

これは、心のケアを中心にした愛情をもって接しストレスから癒していってあげるものです。

様々な薬物療法は有効性がなかったり、副作用によるリスクの高さから、

優しくいたわり、愛情をもって接する 心のケアを大切にする

カウンセリングのような関りの重要性を示すものとして、確立された唯一のケアとされています。

1984年にスウェーデンの研究チームによると、

連続して3回以上流産を繰り返した女性195人を、9年間追跡調査したもので、

ケアを受けたグループと受けなかったグループに分けた場合の出産の成功への違いをみている研究報告があります。

それによると、TLCを受けたグループでは86%のカップルが出産に成功し、

受けなかったグループでは33%だったということです。

それくらい、心のケア、ストレスケアが妊娠しその後も順調に妊娠経過を過ごせるように

影響し子どもが欲しい女性の手助けになるという事になります。

妊活をしていると、ストレスにさらされることばかりです。

生理が来ては落ち込んで、夫婦生活が思うようにいかない、

周囲からいわれう事も気になる、周囲の妊娠も気になる、

治療などをしていると仕事との両立で悩み、いつでも強いストレスにさらされている状態です。

 

死産後の妊娠率って?

流産もとてもつらいですが、悲しみの度合いとして計り知れないのが死産です。

1978〜2004年のデンマークの出生記録と1973〜2002年のスエーデンの出生記録の1,979,958名を対象に

女性年齢が45歳未満でお子さんを亡くされた方36,511名(1.8%)と、

国、年齢、家族構成をマッチさせた対照群としてその5倍の182,522名を対象に、

その後の妊娠について2008年まで経過観察を行った結果(4

観察期間に妊娠された方は、子どもを失った方(74%)がそうでない方(46%)より有意に高く、

より早期に妊娠(特に最初の3ヶ月以内)され、出産率も5.5倍と有意に高くなっていました。

周産期死亡(妊娠22週以後の死産と生後 1週未満の新生児死亡)の直後はすぐに妊娠することが多く、

1年以内に50〜60%の方が妊娠に至ることが報告されていますので、

本当に悲しい事ではありますが、その後妊娠率が高いという点や、

最終的に存在すること物数に違いがないという点からも

辛さを乗り越え、また新しい命は授かるモチベーションが高まるという点もあるため、

少しでも前向きにとらえる事が出来たらよいかと思います。

 

まとめ

心の傷をいやし、あたため、さらに次の妊娠をした時に、心のトラブル、ストレスを上手に乗り越えて、

安心して過ごせる日々を手に入れられるようにしておくことが

最善になるといえます。

まずは不安やストレスを軽減できるように心理的なサポートを検討しましょう。

また認知行動療法などは自分でも取り組める点もありますし、

瞑想などもすとっれす軽減効果がとても高いので有効でしょう。

またカウンセリングなどは話を聞きながらあなたに寄り添ってもらえますから安心感が得られます。

 

泣いて、くらい顔ばかりしていては、赤ちゃんも安心して飛び込めず、ためらってしまいますよ。

笑顔いっぱい輝いて、素敵なママになってください。

 

参考文献

(1)Hum Reprod 2014; 29: 1067

(2)Gen Hosp Psychiatry 2004; 26: 398

(3)BMJ Open 2015; 5: e006592

(4)Hum Reprod 2018; 33: 1557

Fertil Steril 2000; 73: 805、

Gen Hosp Psychiatry 2002; 24: 353

 

↓↓↓動画からも説明しています↓↓↓

 

 

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、自然妊娠カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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