つらさでより妊活が長引く 流産後の不安軽減を

つらさでより妊活が長引く 流産後の不安軽減を

赤ちゃんを失ったことでもっと赤ちゃんが欲しくなるし、不安にもなる。

赤ちゃんを望んで、やっとできた赤ちゃんが・・・

残念だけど流産した場合、非常に悲しく、落ち込みますよね。

私もそうでした。流産といっても、その存在を失う事のダメージは

人によってはトラウマ化してしまうレベルとも言えるでしょう。

通常でしたら3ヶ月ほどで妊娠前のような状態に体は戻るはずですが、

心はなかなかすぐに回復とはいかないものです。

 

流産後は不安でストレスフル

流産はかなりつらい喪失体験。ストレスレベルが高まり、

それにともなって妊娠しにくい条件が揃ってしまいます。

感情と生体反応については研究され解明されています。

なので、心の状態は、体の状態に、細胞の状態にそのまま

反映されてしまうようで、子どもが欲しいのに、できない、

妊娠する受胎能力はややひくくなるみたい。

その結果、自分では想像していなかった、

こんなはずでは・・・・なんで赤ちゃんがこないのということに。

せっかく来てくれた赤ちゃんを産んでさえあげられていたら・・・

今こんなに苦しまなくてすんでいたのにともおもいますよね。

赤ちゃんを1度は授かれたんだからと、赤ちゃんを産めないなんて、

なぜか許せない。あの時産んであげららなかったことに

罪悪感なども感じてしまいやすいでしょう。

妊娠したい気持ちと不安でいっぱいになってしまうかもしれません。

 

妊娠したいにこだわると妊娠しにくい

執着というのは、思考の中でも負のエネルギーを生み出す 欲の要素を持ちます。

思考から生まれ欲には4つの要素があります。

・欲する

・執着

・比較

・不満

 

この4つの内の1つであり、ネガティブな負の感情を起こさせてきます。

思考とともにどんどんとネガティブなものを産みだします。

ストレスとともに不妊体質が出来上がります。

また、ネガティブなものを抱き続けると、

ポジティブになれずに、妊娠できるようになるための思考が止まり、

妊娠する事そのものへこだわってしまいやすくもなってしまいますね。

こころのなかのネガティブを受け止めながら、

自分の心の中にポジティブな側面が増えるように認知の仕方を

すこしづつ変えていくのもストレス軽減に効果的です。

ポジティブになれるほど、卵子や精子にとっても良い方向性に

働いてくれますよ。(1)流産後すぐにポジティブになるのは難しいので、

少しづつ不安の軽減に向けて取り組んでいきましょう。

 

流産の悲しみ・つらさを手放す方法

執着を手放す方法としては、

解放・手放しを行っていきますが、

過去の悲しい体験を振り返りたくもない・・・と思い出すことに拒否をしながら、

でもいつも思い出しては、それにとらわれてしまっていることに

注目してみましょう。

 

嫌だったこと、「恐怖心」というものは、正しいあり方としては、

乗り越えていくほうがよいのです。

私も、つらい流産体験をしていますが、

乗り越えてきています。どうやって乗り越えてきたかというと、

まずは、向き合います。

そして、その体験から得られたこと、学び取れたことを見つけ出しにいきます。

逃げるのではなく、自分から向き合いに行くスタンスをとります。

そうすることで、結果に対して執着しすぎていくよりは手放して

ありのままをうけいれやすくなっていきます。

手放すほど、妊娠率は不妊治療・体外受精で妊娠率が2倍にも

たかまったという結果もあります。(2)

また、学びや得られたことを書いてみる、

口に出してみるという事をしてみましょう。

不妊のストレスは回避したり、逃避しても効果的にはならず、

長期的にみるとかえって不妊リスクを高めてしまうようです。

 

私は、これで乗り越えました

もちろん、たくさん泣きました。でも悲しみの涙だけではありません。

いっぱい泣いてもいいです。のり越えてください。

自分のところに来てくれてありがとう。

母親として選んでくれてありがとう。

本当に感動して嬉しかったよ、ありがとう。

私に、妊娠する力が確かにあることを教えてくれてありがとう。

つらいことでも、夫婦で乗り越える大切さを教えてくれてありがとう。

つらい時、いつも支えてくれる家族がいることを教えてくれてありがとう。

私がママになるための強さと、勇気をくれてありがとう。

これだけの体験をしたから、赤ちゃんを産むときは、喜びしかないと思えるから、ありがとう。

 

自分にとって意味がある事、大切な事しか起きないって思えるようになったから、

自分がしてきた体験に意義づけをすることが不妊ストレスの軽減になって

行くとも言われています。せめずに、自分を大事に受け止めてあげましょう。(3)

 

流産体験後の妊娠率は?

流産を体験する場合、また流産を繰り返す場合は、

妊娠までの期間が延びたり、妊娠率が下がるといわれていますが、

デンマークの研究では、流産後の妊娠率は確かに、一般的女性と比べて

低下するものの、12周期くらいのサイクルで見ると

妊娠率が緩やかに回復していき、累積妊娠率にはそう大差がなかったことが

報告されています。(4)確かに、すぐに妊娠というのは難しいかもしれませんが、

その期間をいかに心穏やかに過ごしていくかは大事なポイントになりそうです。

流産後1年から2年は不安になりやすいといわれています。

あまり無理せず、妊活をしていきましょう。

 

ストレスで心理療法で妊娠力は回復する

精神的に受けたストレスは生殖能力にマイナスの影響を与えてしまうのですが、

それがトラウマ的なものであっても、心理療法などを通して、

心を豊かにすることで、回復する事もいわれています。

うつ、不安、ストレスに対して、ポジティブな思考フレーズを繰り返し

ていく心理療法は効果的なツールとされています。(5)

ストレスを受けた時の対処の仕方によって妊娠しやすさは違ってくるので、

回復力、認知行動療法やマインドフルネス、をはじめ、

レジリエンスを高める様にしていきましょう。

 

まとめ

執着は、手放せば手放すほどに、良い回転が生れます。

もちろん、次の赤ちゃんが早くにやってこれるようになります。

赤ちゃんは笑っていて優しい朗らかなママが大好きです♪

体験したことに、意味や学びを得て経験になります。

人生を輝かせる経験を積み上げ続ける過程で、素敵なママになっていかれます。

ただ、流産後はカウンセリングなど心理的介入がストレス軽減に効果的

といわれています。無理せず、相談していくようにもしてくださいね。

 

参考文献

(1) 2019 Apr-Jun;20(2):115-117.Positive and “Enriched” Environments Reverse Traumatic Stress and Reshape Epigenetic Signature of Spermatozoa and Ovulation.

2019 Nov 7;17(10):757-762. doi: 10.18502/ijrm.v17i10.5300. eCollection 2019 Oct.Self-compassion training and psychological well-being of infertile female.

(3)Fertility and Sterility October 2009Volume 92, Issue4, Pages 1384
–1388  “Letting go” coping is associated with successful IVF treatment outcome

(4). 2014 Nov; 29(11): 2553–2559.Published online 2014 Aug 27. doi: 10.1093/humrep/deu216

(5)Alsaleh M, Lebreuilly R, Tostain M, Lebreuilly J. [The power of repeating phrases of positive thoughts (RPPT): An effective treatment tool against psychological disorders (depression, anxiety and stress). A controlled and randomized pilot study]Ann Méd Psychol Rev Psychiatr. 2018;176(5):388–447. French.

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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