不妊の原因にもなるからチェック!子宮内膜症の検査

不妊の原因にもなるからチェック!子宮内膜症の検査

子宮内膜症は、月経の度に悪くなっていくと言われています。

現代は、晩婚化により、出産の回数も減り、月経回数が増えることにより、

子宮内膜症の患者数は増加傾向だと言われています。

最近、生理痛が以前よりひどく、痛み止めも効かなくなるほどの疼痛など、

子宮内膜症の症状が疑われる方はいらっしゃいませんか?受診するとしても、

どんな検査が行われるのかと思うと少し不安になりますよね。

子宮内膜症の検査はどのような検査なのかみていきましょう。

 

子宮内膜症とは

子宮内膜とは赤ちゃんが宿る組織で、毎月の月経の際に剥がれて、

出血ともに膣から外へ出てくる、子宮の内側にある組織の事をいいます。

本来子宮の内側にある組織なのですが、この組織が本来あるべき場所と異なる場所にできるのが子宮内膜症です。

症状としては、「月経痛」「慢性骨盤痛」「性交痛」「排便痛」などの疼痛、

「不妊」が主な症状といわれています。疼痛については、

動けない程であったり、月経毎に悪化してしまいます。

 

子宮内膜症の検査

それでは、症状がみられ、受診した場合、どのような検査が行われるのでしょうか。

問診

受診すると渡される問診票。問診票はできるだけ正確に記入しましょう。

ここでの問診が診断の大きな判断材料にもなります。

直近の生理開始日、月経周期、不正出血の有無、月経痛の様子、性交痛・排便痛など月経時以外の痛みの有無、

鎮痛剤の使用状況、効果など、それ以外の具体的な自覚症状なども詳しく記入しましょう。

受診の前に、最終月経や月経周期など、

あらかじめまとめて用意しておくと、スムーズに問診票に記入することができますよね。

 

内診

膣から「膣鏡(ちつきょう)」という器具を挿入して膣の状態を視診します。

さらに、片方の手を腹部に置き、もう一方の手で膣から指を入れて卵巣の大きさや位置、

子宮の状態や大きさ、ダグラス窩(か)の状態などを診察します。

初めての内診には抵抗があるかもしれません。婦人科の検査に内診は欠かせない重要な検査です。

長い時間ではありませんから、できるだけチカラを抜いてリラックスをするといいですよ。

 

直腸診

肛門から指を挿入し、子宮と直腸のあいだのくぼみ「ダグラス窩」の深部病変を痛みの程度や触った感じから診断します。

直腸診も内診と同じく抵抗もあり、緊張してしまうかもしれません。

しかし、緊張すると力も入ってしまうため、できるだけ力を抜いて検査を受けましょう。

 

超音波検査

内診と同様に重要なのが超音波検査です。その方法は、腟内から機械を入れ子宮や卵巣に超音波をあてて

診断する「腟式エコー」と、腹部にジェルを塗って上から超音波をあてる「腹式エコー」があります。

ほとんどの場合診察の流れから「膣式エコー」が行われます。この超音波検査では、

特に内膜症が卵巣の内部に発生し血液が溜まる“チョコレート嚢胞(のうほう)”と呼ばれる状態を診断するのに非常に効果的です。

チョコレートのう胞があれば、大体の大きさが分かります。

検査の結果、「子宮内膜症の疑いがある」と判断された場合には、さらに詳しい検査を受ける必要があります。

 

MRI

磁気を使って体の断面をさまざまな角度から映し出し、内膜症病変の位置や癒着の状態などを確認します。

狭い空間にじっとしていなければならず、撮影中にはとても大きな音がしますが、痛みなどはありません。

子宮内膜症の検査としては、CT検査よりMRI検査の方が、

カラダを縦・横・斜めとさまざまな角度から映し出すことができるので、

子宮内膜症の病変の位置、癒着の状況などを詳しく確認できて有効だといわれています。

 

血液検査

子宮内膜症があると、特定の腫瘍マーカー(CA125)の数値が高くなります。

CA125は卵巣がんの腫瘍マーカーとして汎用されています。

腫瘍マーカーとは、悪性腫瘍、ガン細胞が特殊なたんぱく質を作ることに着目したものです。

子宮内膜症の補助診断として、またホルモン治療の効果を確認するために測定される場合もあります。

子宮内膜症は悪性腫瘍ではありませんが、

CA125が上昇することが知られており、その活動性や治療効果の判定に用いられます。

 

腹腔鏡検査

これまでに挙げた問診・内診・エコー・MRI検査などの総合的な結果から

子宮内膜症であると診断されるケースが多いのですが、子宮内膜症の最終的な確定診断は、

「腹腔鏡検査」という方法でしか判断できないとされています。

全身麻酔をして、お腹に穴を開け、腹腔鏡を挿入して、

お腹の中をモニター画面に映し出して直接病変の観察します。病変がモニターに拡大して映し出されるので、

肉眼では見えない小さな病変も確認することができます。

子宮内膜症の確定診断に不可欠な検査ですが、検査のためだけに行われることはほとんどありません。

通常は手術等の治療を兼ねて行われます。

 

まとめ

子宮内膜症の検査についてお話してきましたが、検査の大まかな流れについて分かって頂けたでしょうか。

婦人科の検査は女性にとって抵抗のある内診もあります。不安もあるかもしれませんが、

リラックスすることが、検査の苦痛を軽減させてくれると思います。ゆっくり深呼吸をして検査に臨みましょう。

子宮内膜症は月経毎に悪化してしまいます。

自覚症状を感じたら、早めに受診して、自分に合った治療をしていきましょう。

 

参考文献

病院で行う検査で何がわかるの?|子宮内膜症http://www.mochida.co.jp/naimakusho/treatment/01.html

子宮内膜症 | 産婦人科クリニックさくらhttp://www.cl-sacra.com/hujinka/endometriosis

子宮内膜症の検査方法https://josei-health.com/endometriosis/kensa/https://josei-health.com/endometriosis/kensa/

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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