仕事と不妊治療との両立で悩まない心を整えるためのポイント

仕事と不妊治療との両立で悩まない心を整えるためのポイント

仕事をしながら不妊の悩みを抱えて、心に不安と焦り、

体にはプレッシャーと疲れを抱え込んでいる方が少なくはありません。

不妊治療、特に体外受精をしている場合、

経済的に考えても仕事を止められない、でも両立も難しいと悩まれています。

仕事をしながら不妊治療を継続している場合、心も体も整えるというのは結構難しいものです。

心や体は自律神経などを介して影響が出るので

仕事をして、治療もして、心と体にに負荷がかかったままだと悪循環にもなってしまいます。

 

不妊で女性は精神的にストレスを抱える

ある研究によると、不妊という事で不妊女性の約37%がBeck Depression Inventory(BDI)

で抑うつ症状を呈していることがわかったと報告しています。(1)

これはすごい確率です。

軽度な抑うつ症状と合わせると大半の女性がストレスを抱え、精神的につらい思いをしながら

妊活をしている事がうかがえます。

さらに、不妊歴が2~3年になってくるとうつの有病率が高まるため、

心理サポートの必要性もしめされています。

 

不妊治療をすると精神的な負担が増える

不妊治療をすることそのもの、女性には精神的な影響がかなり出やすいことも

わかっています。スウェーデンの生殖医療機関で体外受精を受けている545組の夫婦を対象に、

うつ症状を調べるうつ質問票(PRIME-MD)をつかって、

体外受精が患者夫婦のメンタルにどのような影響が出るのか調べた研究があります(2

それでは、アンケートに回答した男女(862人)のうち、何らかの精神障害があるとされたのは、

女性の30.8%、男性の10.2%という結果に。

さらにそれに対してなんらかの治療を受けているという割合は21%だったようです。

 

女性の方が不妊という問題に対してレッテルのように感じて精神的な影響を感じるという

傾向がでやすいといわれてもいます。より女性の方に治療の負担も精神的な負担も

かかりやすく重度なうつを患う割合も女性の方に多いようですね。(3

高度な生殖医療になればなるほど負担が増える傾向にあって、妊娠率をたかめようと働きかければ

働きかけるほど、不妊リスクも高まるような難しさもあって綱引き状態になってしまいますね。

 

 

心と体にかかる負担と不調を整えていくためのポイント

仕事をしていると、人間関係でもストレスを抱えることが多くなります。

仕事での失敗、クレーム、上司や同僚と意見が食い違う、思うようにいかない事も多々あります。

そこにもってきて、不妊治療で思うように成果が出ない、

経済的にも、身体的にも、心理的にものしかかりすぎて

心穏やかに妊活で来ていると思えなくなっていきます。

そんな時、だいたいは、心のダメージを引きずったまま過ごしてしまいます。

できるだけ何もなかったかのように装うとしてしまうものです。

しかし、ダメージをそのままにしている間もずっと

体の中では交感神経のスイッチが入ったまま、ストレスホルモンも出てきます。

 

成果が出ていない、失敗して落ち込んでいるそんな時もずっと自律神経は乱れています。

メンタルを何とかしよう、何とかしよう、そう思うほど悪循環になってしまいます。

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メンタルを整えようとするときほど、体を整えることが先

メンタルを整えようとすると、思った以上に逆に色々考え込んでしまいます。

そのため、色々考え込んで余計自律神経を乱してしまいます。

なので、考えずに済む単純な運動を取り入れることが大事になってきます。

その中でも効果的と言われているのが、歩行瞑想や、踏み台昇降や、階段の上り下りです。

 

リズミカルな運動で血の巡りが良くなるのと、副交感神経が優位になります。

そして乱れていた自律神経を整えようと働いてくれるようになります。

右左右左と、唱えながらでもいいですし、

1・2・3・4と数を数え上げていくのもよいでしょう。

単純な動きなほど、色々考えを起こしやすくなりますから、

意識して、単純作業をリズミカルに行うように事がポイントになります。

リズミカルな運動はホルモンバランスを整えるときにも有効になりますよ。

 

ストレス軽減することは体外受精の成績に違いがでる研究で明らかに!

 

まとめ

不妊という問題に直面する事そのものでもストレスを抱えやすく、

さらに不妊治療を受ける事そのものでも、

精神的な負担は誰でも増えやすくなっていきます。またそれに対しケアも行き届いていない

という現状もあるようです。精神障害まで言ってしまわなくても

精神的な負担は随分と大きくでるのが不妊治療です。

さらに仕事との両立とかになればなおの事でしょう。

心のケアは妊娠しやすさに影響が大きい部分なので、セルフケアはもちろんですが、

心理サポートを受けながら進めていくことで安心して妊娠力を高めていかれるでしょう。

不妊歴が長くなるほどその必要性は高まるとともに、不妊リスクが高まってしまう

という拮抗状態を何とか打開していきましょう。

 

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参考文献

(1)prevalence and predictability of depression in infertile women. Fertil Steril. 1992; 58: 1158–1163

(2)March 1, 2010Volume 93, Issue 4, Pages 1088–1096 Risk factors for psychiatric disorders in infertile women and men undergoing in vitro fertilization treatment

(3)VolgstenH, Prevalence of psychiatric disorders in infertile women and men undergoing in vitro fertilization treatment Hum Reprod 2008, vol. 23(pg. 2056-2063)

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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