多嚢胞性卵巣症候群PCOSによる不妊悩みを改善する方法 |

多嚢胞性卵巣症候群PCOSによる不妊悩みを改善する方法

下腹部にハート女性生理

近年増加中の多嚢胞性卵巣症候群は、近年女性に増加中の病気であり、

排卵にも問題を起こしてくるため

不妊で悩むようにもなってしまう病気の1つです。

その背景にあるものや、対策を見ていくことによって、

不妊で悩まないようにするためにできる事をみていきましょう。

 

多嚢胞性卵巣症候群とは?


卵巣にはたくさんの卵細胞があり、通常ですと、ひと月にひとつずつ成熟し、

その中で一番よく育った1つが排卵します。

卵細胞は卵胞という袋に包まれていて、

発育するにつれてこの袋が大きくなっていき、

およそ2cmくらいの大きさになると破裂して、卵胞の中の液体とともに卵細胞が排卵されます。

多嚢胞性卵巣症候群とは、卵胞が卵巣の中にたくさんできます。

ある程度の大きさにはなるのですが、

若い女性の排卵障害では多くみられる病気で、

卵胞が発育するのに時間がかかってなかなか排卵しなくなります。

そのため排卵障害が起き、月経周期が乱れる、月経周期が伸びるといったことがおきて

妊娠しにくく不妊となってしまいます。

 

症状について

本人の自覚症状としては以下のものがあげられます。

 

(1)月経周期が35日以上

(2)月経が以前は順調だったのに現在は不規則

(3)にきびが多い

(4)やや毛深い

(5)肥満

などがあがります。

 

 

PCOSでは、超音波で卵巣をみると

10mmくらいの同じような大きさの卵胞が

たくさんできて卵巣の外側に1列に並び、

なかなかそれ以上大きくならないといった特徴があります。

 

PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の原因

簡単に言えば、男性ホルモンの値が高いため、卵胞は発育するものの途中で成熟が阻害されてしまい、

排卵障害や無排卵を招くことで、不妊の原因になるのが多嚢胞性卵巣症候群というわけです。

 

 

卵巣内の男性ホルモンが多いことで、それに伴ったニキビが多いとか、

体毛が濃いなどといった特有の症状が出たりもします。

 

 

男性ホルモンを高くさせている原因は、脳から出ているLH(黄体化ホルモン)と

血糖値を下げるインスリンというホルモンの作用です。

 

インスリン抵抗性といって、インスリンの効き目が悪くなって、

糖や脂質の代謝に異常をきたす状態が、男性ホルモン値が高い背景にあることがあります。

 

肥満PCOS患者と実際にARTのすべての肥満女性は、自分の体重を減らすことから得られるメリットが大きく、

体内のインスリン抵抗性および炎症ストレスを減少させる可能性があるためです。

腸内微生物叢(腸内フローラ)と免疫微生物相互作用が体内の炎症反応および

インスリン抵抗性の調節および他の多くの経路に根本的な影響を及ぼすという事実を指摘する文献がますます増えているようです。

これらのプロセスを支配するマイオティックおよびミトスティック遺伝子に影響を与える。

PCOS症候群が増加した胚および流産に影響するものは、

高インスリン血症、炎症および高、アンドロゲン症によって引き起こされる遺伝子異常だと予想されています。

 

高血糖を防ぎ、炎症反応を防ぐことが重要なポイントになるという事です。

 

不妊で悩まないようにしていくには

PCOSの場合は、不妊治療をすすめていったとしても、

ホルモン剤の使用や刺激で副作用が強く出過ぎてしまうため

治療もスムーズには進まなくなり、今まで以上に不安や焦りを抱えながらの妊活になってしまいます。

 

多嚢胞性卵巣症候群(PCO)が増えている背景には、

食生活の乱れやストレスの増大といったものが自律神経や内分泌に

大きく影響を与えているためと考えられます。

実際にストレスを抱える女性はアメリカのオハイオ州立大学医学部の研究では

妊娠しにくく、妊娠までに時間がかかるといったことや不妊になるリスクが

2倍になるという事も言われています。

 

そのため、たとえ病気になるまえに予防できることも大事ですが、

実際病気になってからも、そのための医学的な治療を行うと同時に、

自分の身体について、環境や仕事をはじめ今一度、

きちんと見直すということが非常に重要になります。

甘いものを多く摂っていないか、糖質過多の食事になっていないか。

手料理でも簡単に済ませられる食事内容や外食に偏ってきていないか、

ストレスをきちんと解消できるようメンタルコントロールができているか、

睡眠はきちんと取っているか、

仕事においても思った以上に負荷がかかるほど働きすぎになっていないか、

という基本的な部分を再確認することが重要です。

 

こういった形でPCOSという身体からのメッセージを

忠実に受け取ることも妊娠するためには大事な事だといえます。

PCOSと診断される前からも必ず、いつも不安や悩み事を抱えてすごしてきた、

生理周期が乱れていた、排卵がスムーズではない、といった別の形で

サインは出ていたはずですが、それを放置してしまうと病気にまでなって教えてくれるようになります。

 

PCOSではメンタルケアがとても重要

PCOSの場合、体のイメージにも影響がでてきます。肥満や体毛といったものは

外見イメージにも影響がでるため見落とせません。

女性は外見イメージというものが、日常の生活の満足度に大きく影響するからです。

特にBMIと関連してボディーイメージもネガティブになるほど

日常生活の充足感も失われてしまうという問題です。 (1)

それに加えて、不妊リスク、妊娠できないのではという不安が合わさってくるとより精神的にも

苦痛が大きくなってしまう事が想像できます。

多嚢胞性卵巣症候群PCOSの女性については心理的ケアの重要性が指摘された

研究があります。(2

PCOSの特徴である肥満•にきび•多毛といった体型上の悩みや、

排卵障害や不妊といった将来の妊孕性の心配、あるいは糖尿病の予備軍としての将来の健康への不安が生じ

これがその女性のQOL低下や気分不良、情緒障害などの心の問題へと結びついているという点です。

PCOSを持っている女性は、うつ病、不安、低自尊心、否定的な体のイメージ、

および精神性的機能不全に傾向があることを報告されています。 (3,4

PCOSにおける心理社会的影響のもう一つの重要な側面は、気分障害、貧しい自尊心、

モチベーションに対する心理的幸福の低下、そしてこれに重要な成功したライフスタイルの変化を実施し、

維持する能力のマイナスの影響がでてしまっています。

このような精神的な問題はもっと注目されるべきですが、十分とは言えない現状があり、

PCOSの改善のための取り組みの他にも、精神的なサポートも重要になりそうです。

 

PCOSでは流産率も高まる

流産となった35歳未満の方328名を対象に、流産胎児絨毛染色体検査(POC)を行い、

PCOSの有無により染色体異常頻度を後方視的に比較た研究では、

PCOSの方(61.3%、73/119)ではそうでない方(47.8%、100/209)より染色体異常率が高く、

流産胎児の染色体異常は、PCOSで2.0倍と有意に高くなったのです。(5)(6)

PCOSは女性の6〜25%に見られる内分泌疾患であり、流産率が高くなることが知られています。

妊娠しにくい、そのうえ流産もしやすいという点からも

ライフスタイルの改善とメンタルのケアに心がけていきたいところになります。

流産による喪失感はとても大きく、妊娠を望む女性にとってとてもつらくストレス度が高まり、

悪循環を招きやすいので、心理サポートを役立てていくのも良いでしょう。

 

PCOSは筋肉トレーニングなど運動でも色々改善

ブラジルのサンパウロ大学の研究チームは、16週間の筋力トレーニングプログラムを実施し、

その前後でFSFI(女性性機能指数)とHAD分析(不安や抑うつ評価)に回答してもらい、

性機能やメンタルな状態の変化を調べた結果、改善することが判明しました。(7

運動にはインスリン抵抗性の改善やうつなどメンタルを改善させる効果があることも

知られています。なので運動によってもPCOSが改善したり、メンタルが改善するというのも

納得ですね。この研究では、ウォーキングといった有酸素運動ではなく、

筋肉トレーニングであるという点は、タンパク質やカルシウムなどの栄養素を体の中に

取り込んで、筋肉や骨をつくるような運動であるからということです。

筋トレなどについては自分で何か取り組みを考えるよりは専門家に相談しほうが良いでしょうが、

健康レベルを高める基本は適度な運動とも言われているので、まずは不可がかかり過ぎない

有酸素運動を習慣化するようにしてみましょう。

 

 

PCOSの女性は有害化学物質の濃度が多い

中国の研究では、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の女性はそうでない女性に比べて

血液中ののPCBやDDEなどの有機塩素系殺虫剤、ベンゾピレンのようなPAHs(多環芳香族炭化水素)といった

有害な化学物質の濃度が高いことが言われています。(8

殺虫剤や有機汚染物質にさらされることで、環境ホルモンのような影響を受けてしまい、

卵巣でのエストロゲンの分泌や卵胞の成長を調整する遺伝のスイッチのオン・オフに

かかわる受容体やエストロゲン受容体にくっついて、生殖機能を

下げてしまっているのではないかといわれています。

できるだけ生活の中でも有害な汚染物質の取り込みが少なくなるようにしたり、

受けたダメージの回復につながるように生活習慣には気をつけたいですね。

 

 

参考文献

(1)Correlates of appearance and weight satisfaction in a U.S. National Sample: Personality, attachment style, television viewing, self-esteem, and life satisfaction

(2)BMC Medicine 2010; 8: 41

(3)コフィーS、メイソンH多嚢胞性卵巣症候群が健康関連の生活の質に及ぼす影響ジネコルエンドクリノール.2003;17:379-386。10.1080/09513590312331290268。

(4)ディークスA、ギブソンヘルムM、ティードH.多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)における不安とうつ病:包括的な調査。肥料滅菌2010;93:2421-2423。10.1016/j.fertnstert.2009.09.018

(5)Fertil Steril 2019; 111: 936doi: 10.1016/j.fertnstert.2019.01.026

(6)Fertil Steril 2019; 111: 883 doi: 10.1016/j.fertnstert.2019.02.030

(7)ORIGINAL RESEARCH Impact of Physical Resistance Training on the Sexual Function of Women with Polycystic Ovary Syndrome https://doi.org/10.1111/jsm.12909

(8)Human Reproduction, Volume 30, Issue 8, August 2015, Pages 1964–1973, https://doi.org/10.1093/humrep/dev123

 

動画からも説明しています

 

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、自然妊娠カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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