潜在意識で不妊 親の心理コントロールでストレスフル

潜在意識で不妊 親の心理コントロールでストレスフル

両親、お父さん、お母さんとの関係は幼少期の頃からどんな感じだったでしょうか?

多かれ少なかれ影響を受けたりもしますが、今まで不妊で悩む女性の悩み相談を受けてくる中で

両親との関係からずっと精神的にストレスフルな状態が続き、大人になってからも

ポジティブになれない、不安になってしまう、パートナーともなぜか良い関係が

築くことが難しいと悩まれていながら、妊娠もできないという方もやはりいました。

精神的にずっとストレスを抱えてきていると、心の不健康と連動して体も不健康に

しかもDNAまで影響が出てしまい死亡率まで高まってしまうのです。

親の関り方が子供の精神・メンタルにもそして成人してからもさらに影響し続ける部分があります。

 

親のことが好きではない、親から暴力をされた、かなり厳しかった、

両親が不仲だった、離婚していた、親に育ててもらえなかった、母親が育児放棄していた、

母親が精神的に病んでいたこういったそういった場合は、

不妊という妊娠できずにいる体の状態にも精神的に苦しんできたストレスの影響も重なってきます。

 

潜在意識で不妊にまで 親の関りが不幸感を高める

妊娠しやすさには精神的に安定している、ストレスを抱えすぎず対処できるという事も

とても大事な要素になっています。妊活をする前から、結婚をする前から

ずっと子どものころから悩んできたという精神的に不安になりやすく、

ものごとネガティブに捉えてしまって人とうまくかかわれないとか、

毎日が楽しいと思えないという事でも悩まれている女性が少なくないのです。

親の関りが大人になってもその子のメンタルに影響して人生全体の満足度まで下がってしまうといわれています。

これはロンドン大学の研究で、約5,300人分の調査データをベースにした、

少年期、中年期、高年期における全員の幸福度をチェックし、それぞれの両親の「子育てスタイル」と

比較した研究で分かったことです。(1)

確かに、イメージしただけでも、親の関りが悪いと子供にも影響が出てしまうというのは

想像できますが、何が子供の心、そして成人してからのメンタルにまで影響がですのか

というのはかなり興味深い点です。

この研究では、心理的なコントロールをする親に育てられていることが、

もっともメンタルへの影響が出るという事です。

心理コントロールというのは、本人に「罪悪感」や「恥」といったネガティブな感情を

抱かせて、それでその子を操作しようとする方法のことです。

たとえば、勉強をしない子にせっかくお金を払ってあげているのにねぇ・・・と言って

罪悪感を感じさせたり、わざと友達や兄弟の前でしかって恥じを欠かせたり、

といったのが代表的なものです。

 

行動をコントロールする親では問題ない

同じ厳しいのでも、精神的にネガティブな感情を抱かせるようなコントロールの仕方

をしなければ問題がなく、行動をコントロールするように、

○○しなさい!といって行動させようとするのはよいのですが、

叱咤激励のつもりでも、比較してあなたはダメねぇといってたきつけるような関りは

本人にとってはとても後に精神的には苦しいものになってしまうという事です。

兄弟・姉妹間で比べられて育ったという事をずっと抱えて、

お母さんやお父さん、から認められない事、大事にされなかったという感覚を抱いていると

精神的にもいつも不安定になってしまうのでしょうね。

心理コントロールをしない親に育てられた人は、大人になっても高齢者になっても人生の満足度が高く、

メンタルも健康的でいられる傾向が高かったのです。

その一方で、心理コントロールをする親に育てられた人は、有意に人生の満足度とメンタルヘルスが低下し

苦しい人生となってしまうということです。

心理コントロールの例としては、子供たちに決定権をあたえなかったり、

子供のプライバシーを侵すことなどもあげられています。

 

親からの育てられ方が不妊にまで

人を信頼して関われず、何をしても満足できない、楽しめない、不安というのでは

妊活以前にとにかく生活そのものつらいですし、

メンタルが不安定だと夫婦関係も悪化してしまうといわれています。

メンタル不健康は、体の不健康にも直結してしまいます。

親の育て方が、子どものDNAの働きにまで異変を起こしてしまうという事が研究で

わかってきたのです。

子供のころのネガティブ環境がDNAレベルで異変を起こすという、ちょっと怖い

研究結果も(2)あるのです。

774人の児童を調べた長期研究では幼少期3歳より前の時点でつらい経験をした子供は

DNAのメチル化に異常が起きるのではないか?という点を調べています。

メチル化とは、遺伝子のどのスイッチをオンにしてオフにするかを決定づけるもので、

DNAがメチル化されると、遺伝子の働きが制御されます。この働きによってヒトの細胞は正常に働くことができ

もし異常が起きれば癌化したり老化が進むという事態になります。

幼少期はとても感受性が高い時期なので、なんらかの困難に見舞われることで、

異なったDNDのメチル化が起きやすいと研究者らは指摘しているそうです。

3歳までの人間は特にメチル化の異変が起きやすいため、この時期に激しいストレスにさらされると、

成長して大人になっても精神的にメンタルを病みやすくなるということです。

幼少期のストレスが遺伝子に消えない傷を残す傾向が指摘されてたということです。

 

不健康で不妊体質に 親の関りと幼少期のネガティブ環境

DNAのメチル化の異変を引き起こしやすいという7つのネガティブな環境がこの研究より

具体的にわかったのが以下のものです。

心と体の不健康、細胞のがん化や老化にもつながっていく親の関りとは

 

  1. 親や保護者からの虐待
  2. 母親の精神病
  3. 片親の家庭で育った
  4. 両親が離婚と結婚を繰り返した
  5. 家庭の経済的なストレス
  6. 貧しい地域に住んでいた
  7. 体への虐待

 

でした。親からの身体的な虐待はもちろんですが、育児放棄やご飯を与えない、

精神的に暴言を浴びせるなどももちろん良くはありませんし、

両親が不仲だったり離婚したり再婚を繰り返したりは子供にとってかなりつらい体験になって

いくのでしょう。

片親に育てられることもそうですし、経済的な貧困というのも子供の精神や健康にも

大きく影響するのでしょうが、親との過去における関係や環境を今から変える事はできませんが、

今からできるメンタルを変えていくことならできる事がたくさんあります。

実際にカウンセリングで相談を受けていると、過去の体験や両親との関係なども

ヒアリングしていくと、結構当てはまる方もいますので、

心の健康はやはり体の健康度、妊娠しやすさにも影響がでてきてしまう点もあるのでしょう。

 

まとめ

中々妊娠できないなぁと思っていたら、メンタルの影響や、幼少期の親との関係、

親にどのように育てられたかも振り返ってみましょう。

精神的に抱えたトラウマなどで、潜在意識で不妊になっているという事もあるかもしれません。

今からできることに取り組み妊娠しやすい心と体作りをしていきましょう。

親との関係が悪かったからもう、妊娠できないという事ではないので、

影響を受けている点もあるため、その部分を改善させていきましょう。

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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