妊娠力を高めるメラトニン卵子を改善 すごいかも!
卵子を何とか若返らせたい。妊活女性の切なる願いかもしれません。
卵子の老化は止められない。年齢とともに劣化してしまうといわれていますが、そこに対して、睡眠ホルモン「メラトニン」が注目されていることをご存知でしょうか?
メラトニンとは、私たちの脳の松果体から分泌されて、睡眠を促すホルモンとして知られていて、アンチエイジングではかなり注目されているホルモンでもあります。
メラトニンは抗酸化酸化作用がある
実は、メラトニンには、睡眠を演出するだけでなく、活性酸素を抑制する抗酸化作用を有することが知られています。(1)
生活をしていると活性酸素が生まれるのですが、その活性酸素は、細胞を傷つけ、老化の主因とされていますね。とくに細胞の中のさらに重要なエネルギーをつくりだす工場とも言われているミトコンドリア。
これがダメになってくると細胞の質は劣化してしまいます。しかし、メラトニンが多いと、このミトコンドリア量も多いことが知られていて、細菌の力でミトコンドリアからもメラトニンが生産されてもいることもわかってきているのです。
メラトニンには脳内での抗酸化作用もあり、細胞の老化を防いでくれます。
細胞のアンチエイジングにメラトニン
ひと昔前は、外で活動して、体を動かい、太陽を当たり前のように浴びる生活をしていましたが、今はライフスタイルが随分変わりました。
必ずしも太陽の光を浴びてそとで活動するといったライフサイクルではなく、デスクワークも増えましたよね。お洗濯や食器洗いといった家事も家の中で完結です。
こういった太陽の光を浴びるとメラトニンの分泌がリズムよく進みます。それは太陽の光に影響をうけて、”睡眠ホルモン”と呼ばれるメラトニンが泌されるからですね。
メラトニンは光が当たった15時間後に分泌スタート
外が暗くなるから分泌し始めるのではなく、起きてから光に当たっているという事が大事なのです。
脳の中の松果体からメラトニンが分泌され、身体に”眠ろうね”というサインが送られます。朝日を浴びる事で夜にメラトニンが分泌されるようにプログラミングされているからです。(2)
そして、朝になり、明るくなると、その分泌が止まります。朝カーテンを開けるといいのです。
メラトニンの分泌量によって人間は目覚めたりねむくなったりします。さらに、細胞の中のミトコンドリアからもメラトニンは作られていて、細胞を活性酸素から守ってくれています。
さらに、生殖においても大きくかかわり、卵胞が育つ排卵に向けて、体の循環メラトニン濃度よりも高い濃度になっていきます。
さらに、排卵後は、プロゲステロン産生にも関わっていきます。
つまり、夜になると眠くなり、明るくなると目覚めるのは、「メラトニン」というホルモンが大きくかかわり、光をコントロールして、サーカディアンリズムをっとのえる事で生殖にもプラスに働いてくれるのです。(3)
メラトニン投与で体外受精における受精率、妊娠率が上昇
山口大学医学部産婦人科での研究では、メラトニンの抗酸化作用に注目し、卵胞液中のメラトニン濃度と卵の質について、
さまざまな基礎研究や臨床試験の結果を発表しています。これまでの研究で、以下のことを確認しています。(4)
・排卵過程において、酸化ストレスが生ずると卵の成熟を妨げる。
・メラトニンが卵胞内で抗酸化物質として働き、卵を保護している。
・メラトニン投与が実際に卵の質を改善、受精率や妊娠率の向上につながる。
メラトニンの抗酸化作用は卵胞液中で卵を守っていると考えられ、実際にメラトニンを摂取することで、受精率や妊娠率がよくなることを確認しています。
卵子の質を改善し妊娠率を高める可能性
他の体外受精での、メラトニン投与によって妊娠率が改善するかをみた研究では、妊娠率には有意な差が出ないものの、成熟した卵母細胞の割合が、メラトニン治療群では有意に高かったという結果もあります。この研究では受精率(72.75対71.16)には、2つのグループ間で差はなかったものの、妊娠を高める可能性があるとしています。(5)
メラトニンを投与する事が重要とまではいえなさそうですが、長期的にメラトニンが増える生活をしていた方が良いという事は間違いはなさそうです。妊活中は絶対に大事です。
妊娠しやすく卵子の若返りに メラトニン
メラトニンは、アメリカでは、サプリメントとして認められていますが、日本では、認められてはいません。
個人輸入などで簡単に手に入れる事はできるかもしれませんが、ビタミンなどと違って、ホルモンなので、自己判断で利用することは多少リスクもあるのですが近年研究では、摂取による副作用などもなく安心してのめるサプリとして海外では一般的になってきているようですね。(6)
ただ、一方で、良い作用と反作用もあるという事で、フランスでは、有害作用は一般的な症状(頭痛、めまい、眠気、悪夢、過敏症)、
神経疾患(振戦、片頭痛)及び胃腸疾患(吐き気、嘔吐、腹痛)などがあったという事で、報告された有害作用事例及び科学文献の分析の結果、炎症性疾患又は自己免疫疾患の患者、妊婦、授乳中の女性、子供、ティーンエイジャー、メラトニンを含むサプリメントを摂取しないことを推奨するとしている国もあります。
悩ましいですね・・・。
排卵刺激でダメージをうけた卵子にも改善有効かも
メラトニンが注目されるのは、排卵刺激などをうけていると卵子は劣化し老化する事や妊娠率が下がってしまう事が言われていますが、そこについても改善に有効になるかもしれません。(7)
外因性ホルモンによる過剰排卵の誘発は生殖補助医療(ART)で広く使われ、何度も繰り返し使用されています。
一般的にいは安全といわれていますが、新たな証拠により、過剰な排卵を繰り返すと卵母細胞の質が損なわれることが示されているのです。
排卵刺激を繰り返すと卵子は劣化してしまう。そこについても改善が可能なのか期待がかかるのですが、マウスでの研究では、in vitroでの成熟時にメラトニンの補充すると、メラトニンの投与と同じ保護効果を卵母細胞にもたらしたという事を報告しています。
産婦人科でも取り入れられてきているメラトニン
ホルモンバランスの乱れ、そして出生率、さらには生まれる子供の健康への影響にメラトニンが有効といわれてきています。動物を使った研究から、女性での研究でも様々。
海外では、オンラインショッピングや普通にお店で変えるサプリになっています。この研究では、6か月までの短期サプリメント(メラトニン2〜18 mgの毎日)によって、受精率、卵母細胞の質、成熟、胚の数を改善できる可能性があるとしています。(8)
そして、この効果を見ていくにはこれからも研究と、長期にわたる投与も必要のようです。
すぐすぐ、効果が出るわけではないものの、卵子の質、そして生殖に影響がでてくるもので、サプリ頼りではなく、日々の生活の中の積み重ねが重要そうですね。
睡眠は、カラダの”休息”だけでない
カラダの”修復”という役割があるのです。この体の修復はノンレム睡眠の時におこります。
深い睡眠は脳や体の修復を行います。睡眠ホルモンであるメラトニンに、生殖細胞を保護する働きが備わっていると考えるのは、とても自然なことです。
人間の体のありとあらゆる細胞が元気だったらあなたは妊娠力だって、当然に上がりますし、いろいろな指令をだす脳内の細胞もイキイキとしているという事は元気な赤ちゃんが育っていきます。
女性の看護師を対象にした研究で、深夜勤務の翌日は血中のメラトニン濃度が低くなる傾向にあること、また、夜間に働く女性は、夜間に働かない女性に比べて、月経不順になりやすいことが分かっています。
メラトニンの分泌を高め、メラトニンの働きを活性化すような生活をしていくことは、あなたに本来すでにある妊娠力を最大限に高める近道のはずです。
よりよくメラトニンを分泌させる生活習慣
こちらに、メラトニン活性の生活習慣について、ご紹介いたします。
メラトニン活性のポイントは、”生活リズム”にあるのです。だからといって、早寝早起きでなくてはいけないという事ではないのです!!!
私は夜遅く寝る習慣だからと気落ちする必要はないのです。大切なのは、メラトニンはどうやると分泌されるかに注目してほしいのです。
・起きてから15時間後から分泌されはじめる
・起きた時にたっぷりと太陽の光を浴びておく(目覚めたらかならずカーテンを開ける)
・日中もできるだけ5から30分は太陽に当たるように心がける
・夜はとにかく暗くして寝る
・寝る前2時間くらいは強い光を浴びない(携帯・スマホ・PC・テレビなどのことです)
夜でも照明などで明るくしているとメラトニンの分泌が抑制されます。暗くして寝ることで、メラトニンがしっかりと分泌されます。
夜は照明器具は全て消して、常夜灯やベッドライトも全て消して真っ暗にしましょう。
寝る時の寝具なども心地よいものを使うととても良いですよ。
いくら寒いからといって、分厚い布団をかけて寝るというよりは、軽くて暖かい羽毛布団のような布団がおすすめではあります。
室温は18~24度程度の室温が保てると非常に良いかと思います。
できる所からで充分です。1つでも2つでも取り入れてみてはいかがでしょうか。
特に、妊活中は精神的にも不安になりやすく、夜の睡眠にも影響が出始めてしまいます。
こういった精神的な影響による睡眠への悪影響については、メラトニンサプリは有効ではなくなってしまうため、寝つきをよくするためのこんな心理テクニックも試してみてくださいね⇒こちら
参考文献
(1)Mitochondria: Central Organelles for Melatonin′s Antioxidant and Anti-Aging Actions
食品安全関係情報詳細