不妊治療ここがつらい 治療の選択と意思決定

不妊治療ここがつらい 治療の選択と意思決定

1978年には世界ではじめてイギリスで体外受精で授かった子が誕生してから

生殖医療の技術は進歩し、また医療機関の数も増え、一般的に誰でも

治療を受けられる環境が整ってきた一方で、

不妊治療の検査や治療方法、またそれにちなんだ情報があふれるといった中

治療を受ける女性にとって苦痛になるのが、

いつどんな治療を選択し受けていくのか、また辞めるのかといった意思決定となっています。

 

不妊治療で優先されるのは本人たちの意思決定

不妊と不妊症に違いがあるように、子どもができないこと自体は

状態でありますが、妊娠を望むのにできなくて困るという状況になれば

不妊症として治療の対象になっていきます。

また、この不妊治療はあくまで子供を授かることを希望しているご夫婦が対象と

なるため、どの治療をいつ受け、いつまで続けて、どんな選択をし決定していくのかは

治療を受ける女性・ご夫婦の医師が最も尊重されています。

情報があふれ、何をたよりにどうしていったらよいのか迷う事が多く

しかも自分達で決めたことでも実際に結果がともなってこない事で

強い不安にさらされるようにもなっていきます。不妊治療を受ける女性は特に

強いストレスを抱えながら治療を継続させていくこととなります。

 

今の状況、今後の治療の見通しなどもっと教えて欲しい!

そこで医師や医療機関に対し、なんで結果が出ないのか、どういった治療をどれくらい

受けたらいいのか、今の自分達の置かれている状況、今後の治療の見通しなどについても

もっと説明してほしいという要望をもって治療にのぞんでいるようです。

そのため、不妊相談については不妊治療にまつわるセカンドオピニオンを

求める内容が4割にも上っています。

実際に治療を受けている病院や医療機関・医師から充分な説明を受けることができていない、

もしくは受けていながらも不安や不信感を持ちながらの治療になってしまっている

現状があります。自分たちの今の置かれている状態をちゃんと知りたい、

なぜこんなに受けていても結果が出ないのか、このまま不妊治療を続けるべきなのかどうなのか、

どれくらいどの治療をしたら自分達には妊娠できそうなのかといったことを

知りたがっています。でも、その情報を得られないし、受けている病院を変える事が

望ましいのではないかとも不安になっていきます。妊娠は年齢の影響なども受けますが、

現実的にみて妊娠確率そのものが低い治療でもあり、医療を提供する側と受ける側とで

ギャップがあるとされています。

 

妊娠したいから情報提供をしてほしいし、安心したい

不妊治療を受けるご夫婦と医療者側とでギャップが生じるのは、

妊娠できるのかどうかは確実性がなく、わからないという不確かであり、さらに

その確率が低いというのを認識している医療者側と、治療を受ける側では期待度が高い

といった点で違ってきています。

それを踏まえたうえで説明をしていってくれればよいのですが、治療を受ける側は

特に成果が出ていないけれど同じ治療が繰り返されたときに強く情報を欲しいと感じています。

また、治療を受ける側にとっては1回、1回であってもとても重要に捉えていますが、

治療に行って生理が来たという話をしたら、では次はいついつですね・・・と

次の治療の話が淡々と短時間で行われる点においても不安を抱えています。

もっと、自分の状況について、うまくいっていない原因についてや今後の見通しなどについても

色々話をしてほしいと思っている方もいます。

 

不妊治療が長期化するほど求める情報にも違いが

不妊落ち込む女性

特に不妊治療が長期化している女性ほど、より医療者に求める内容に違いも

出てくる傾向があります。たくさんの患者さんがいて、その数いる中の1人として

接せられる事にも不満を感じる傾向があるようです。

例えば、以前話したことや、自分の状況などを忘れられていて把握しきってもらえていない

事に対し、たくさんいるから仕方がないけれど、せめて個別に扱われている

と思われるような接し方をしてほしいとも思っていますし、

一般的で誰にでも同じような治療をするというよりは、

自分状況に合わせた治療をしていると思えるような言い方をしてほしいと感じている方も

いて、不妊治療期間が長期化するほどその傾向がでています。

また、一般的な不妊治療の流れにのった治療だなと感じる事にも、不満を感じる傾向が

でています。特に治療期間が長期化していたり、高齢化しているほど

医師が、じゃあ次はこの治療ね、じゃあ来月ね、じゃあ次はいついつ来て、

と自分達のことよりも既に流れに沿って治療を勧めている感じに

不満を感じる傾向も強まっています。

 

医療者側から情報が得られない事も不妊治療のつらさに

妊娠できるのかわからない、何回やったらという事もわからない、そんな不確かさがある

不妊治療を勧めていくからこそ、実際に治療を受ける女性やご夫婦にとっては、

自分達の置かれた状況をよく知りたいし、それにぴったりだと思える治療を

選択できるよう情報を欲しいし意思決定させてほしいと思っています。

でも、その情報が医師や病院から得られない、どんどん一般的な治療の流れになり、

他のたくさんいる患者さんの中の1人になるのにつらさを感じる様になっていっています。

さらに、本当に妊娠できるのかという強い不確かさはストレスとなっていますから

不妊治療中の女性はかなりの高ストレス状態にさらされて心身症レベルになっています。

さらにその意思決定をしていく上で、いつまで続けるのか、

治療をどのタイミングで辞めるのかといった意思決定はかなりストレスにもなっています。

いつも選択と決断を迫られ、治療にのぞんでもまたダメだった、またダメだと

落胆を繰り返すことで不妊治療はつらさを感じているため、いかに精神的にも

安心したり、リラックスして過ごせるのかといった点も取り組むべき課題となっています。

 

参考文献

不妊女性が受療中に経験した非支援的状況の分析 日本生殖看護学会誌 5(1), 4-10, 2008-06

長岡由紀子:不妊治療を受けている女性の抱えている悩みと取り組み,日本助産学会誌,14(2),18‐ 27,2001

阿部正子:体外受精を受療している不妊女性の治療継続の経験的プロセス。日本生殖看護学会会誌4(1),34・41, 2007

長岡由紀子:不妊治療を受けている女性の抱えている悩みと取り組み,日本助産学会詰,14(2):18‐ 27,2001

中嶋文子,阿部正子,宮田久枝:不妊原因別にみた不妊治療中の女性の医療に姑する要望の分析,滋賀母性衛生学会誌,6(1):38‐43,2006

橋村富子:生殖補助医療と看護の役割‐相談事例からARTを考える,臨床看護,33(6):879‐ 384,2007

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、自然妊娠カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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