焦ると妊娠できない!不妊ストレスを理解するには

焦ると妊娠できない!不妊ストレスを理解するには

妊娠できると思っていたのに、臨んだときにすぐ授かると思っていたのに、

自分が思い描いた人生の設計通りに物事が進まなくなってしまった!

まわりのみんなはちゃんと妊娠していっているのに、子どもがいる楽しそうな生活を

送っているのにと焦る気持ちが出てきてしまう事でしょう。

不妊の悩みは、年齢との闘いという焦らざるをえないような状況になるので

不安もつのりストレス度は高まってしまう事でしょう。

不妊ではストレス度が高まってしまうこと、そして焦ってしまう事が

当たり前のようになってしまうのはどうしてか、そしてどうしていったらよいのかをみていきましょう。

 

焦ってストレス度が高まると妊娠しにくい

男女 話し合い

ストレスによって排卵障害や不妊リスクが高まってしまう事をご存知でしょうか

 

卵子はホルモンの指令によって成長しますが、ホルモンの分泌量が少なかったり、

卵巣がうまく指令を受け取れないと卵子がうまく育たずに排卵が起こりにくくなります。

過度なダイエットや大きなストレス、喫煙、カラダの冷え、血行不良などがその原因になることもあります。

不妊のこと

 

生活環境や生活習慣の中で妊孕性(妊娠する力)を低下させる因子として、

年齢、性交回数、食事、体重異常、喫煙、運動、ダイエット、ストレスなどが考えられています。

不妊改善につながる生活習慣

 

過度の疲労や精神的ストレスは、女性に対しては排卵障害や着床障害を、

男性に対しては精子の数や運動率の低下を引きおこします。

また、疲労やストレスは健全な性交渉も妨げることとなります。疲労やストレスは日頃から避けることが大切です。

不妊の原因

 

ストレス度が高まると、体の中のストレスホルモンコルチゾールの値は高まります。

そうすると、排卵率が低下する、妊娠率が低下し不妊リスクは2倍にも高まるという研究報告もあります。

受精障害や着床障害につながっているのです。

焦ってしまって、そわそわしてしまう。期待しては生理がきては落ち込むといった

事を繰り返しては、かなり感情的になったり落ち込んで無気力になってしまったり

涙が止まらない、そういったことで気分と体調が優れなくなってしまっている

妊活中の女性も少なくなりません。

精神的なストレスが、体への反応に違いが出て不妊リスクを高めてしまうのですから、

心もよい状態に保ってあげる必要性がありますね。

 

不妊では、不安や焦りはなぜ高まるのか

状況がどうであっても、自分が妊娠を望んでいるのに妊娠しないし、

妊娠できないかもしれないというのは、不安になってしまうものです。

妊娠はただ頑張ればよいというものではなく、人生で初めてなんだか努力だけでは

なんとかできないものという大きな壁のような試練のように感じる事もあるかもしれません。

人生の大事な部分をコントロールできないという事、強い願望は合わさる事で、

よりつよい不安となってしまいます。

 

自分の力だ及ばないという無力感

そして、

大事な部分をコントロールできないというコントロール能力の低さ

このふたつが合わさる事で不安は強まってしまうのです。

不妊にストレスがよくないと分かっていても、ストレスはためちゃダメ、

考えちゃだめと思うほど、よりストレス度は高まってしまいます。

ストレスへはどううまく対処していくのかというコーピングが大切です。

自分のことをよく知り、自分がどういった場合にどういったストレスを感じるのか、

そのストレスをどう軽減していったらよいのかというスキルを身につけていくことが

妊活をうまく乗り切っていくためには必要になっていきます。

 

焦るとストレス度が高まるわけ

焦る気持ちの裏には、別の気持ちや欲求が隠されているものです。

そのため、妊娠しないという事と同時に、別の欲求が満たされず、

より自分を惨めに感じたり、悲しみを感じたりするようになるため

そういうのを味わいたくなさ、回避したいために早くに回避したいと思って

より欲求が高まり、焦ってしまうとともに、それが叶わない事で裏切られたような気持や

無力感などを感じストレス度が高まってしまいます。

 

焦る気持ちの裏にある心理には、

・見捨てられたくない

・本当の自分を知られるのが怖い

・ダメって思われたくない

・劣っているって思われたくない

こういった気持ちや欲求が隠されていたりもします。

そのためそれを早くに回避したくて焦ってしまうことも助長されてしまうのです。

 

自分をよく理解できるとストレスは軽減していく

女性 伸びリラックス

自分のことをよく知り理解できると、不安を助長してしまっているものは何なのか、

自分の心の癖、感情的な傾向などを知っていることで

自分をコントロールできるようになっていきます。

コントロールするには、自分のことをよりよく理解することで自分と向き合う事が大切です。

断食などを行うと、精神的にも負荷がかかり、外の事柄に目がいかなくなり、

自分自身と向き合う時間が増え精神的にストレス度が軽減されたりします。

自分自身と向き合う事で、自分が抱えている不安は本当に正当かどうか、

おこらないかもしれない未来を考えすぎていないか、

恐れている事と事実との違いが分かれば過去の後悔や不安にばかりとらわれずに

前向きにすべき対処法、効果的な対処法で最善を尽くせるようになります。

 

無力感やコントロールが不能だという事にとらわれずに、

自分が今の状況をコントロールできている、うまくいっているという気持ちをもてるような

感覚をつかめることが大切になります。

 

不妊ストレスを軽減する コントロール力を身につける

妊娠した女性

自分で、今の状況をコントロールできていると思える力を身につけていきましょう。

そして、自分がしていることで事態がいい方向へ向かっている、

自分のしている事に効力があると思えることが大切です。

そのためには、認知行動療法や、マインドフルネス療法が効果的になります。

両方を合わせて行っていくことで相乗効果でより効果的になります。

 

マインドフルネスとは

マインドフルとは、英語で「心にとどめて」といったような言葉で、

「現実をありのままにとらえる心の持ち方」を示します。

マインドフルネスは、自分の身体や気持ち(気分)の状態に、気づく力を育む

いわば、「こころのエクササイズ」となります。

欧米などでは、すでにその効果について、多くの実証的研究報告があります。

ストレス対処法の1つとして医療・教育・ビジネスの現場で実践されている効果的な

心のトレーニング方法となります。

 

認知行動療法とは

認知療法・認知行動療法は、認知に働きかけて気持ちを楽にし健康を取り戻していくための

精神療法(心理療法)の一種です。認知は、ものの受け取り方や考え方という意味であり、

ストレスは物事のとらえ方考え方によって生じています。

ストレスを感じると私たちは悲観的に考えがちになって、

問題を解決できないこころの状態に追い込んでいき悪循環となってしまうのですが、

認知行動療法では、そうした考え方のバランスを取ってストレスに上手に対応できるこころの状態をつくっていきます。

 

不妊で悩む女性が抱えやすい焦りやストレス

悩む落ち込む女性

不妊で悩む女性が抱えやすい不妊ストレスは不安や焦りにつながっています。

どういった事でより強いストレスを感じ不安で心の中が苦しんでいるのかを

自分のことをあなた自身がよく知っていてあげる事で、

ストレス対処はうまくいくようになります。

抱え込みやすいストレスや不安として自分はどういったものを抱えているのか

記録をつけてみる事から始めてみましょう。

そして、こういったストレスを抱えているのは決してあなただけではないという事を

知っていてください。一人ぼっちではありません。

 

自分だけが置いてけぼり?というストレス

自分だけが置いてけぼり、取り残されているという孤独感はとても強いストレスになります。

友達や同僚、自分の周りのみんなはどんどん先に行ってしまって、

自分だけが取り残されてしまったかのような感覚は不安と焦りを高めます。

自分も先に進みたいのに、先に進めるのかもわからない。

友達は妊娠して、みんなの集まりでは会話の内容や関心が子供の事へスライドし

自分がその輪に入っていかれない、自分が取り残されたと感じやすくなります。

友達の輪からおいていかれてしまう、妊娠したら入るであろうママ友の交友関係が

みんなはネットワークを作っていくのに自分はそれに乗り遅れているといった感覚を

もつ頃もあるでしょう。

たとえ妊娠できたとしても、自分の子供が周りのみんなからは離れて

そこでも置いてけぼり感を感じてしまうのではないかという不安を抱くこともあるかもしれません。

兄弟、姉妹間で妊娠する人がでると、両親の関心がそちらに向き、

自分が大切にされなくなってしまうのではないか、両親が孫の方へ関心を抱くため

関係性が変わり自分が取り残されるような感覚に耐えられなさを感じる事もあるでしょう。

大切な身内の妊娠なのに喜べないといった感覚につながります。

 

私って価値がないのではというストレス

妊娠できないということで、自分自身の価値が低い、もしくは価値がないのではという

不安を抱くこともあります。子供を授かれない私は、嫁としてダメなのではないか、

妊娠できない自分は人として劣っているのではないかという事を不安に感じてしまうこともあります。

妊孕性と自分という存在を関連付けて価値を決めてしまうという傾向もあって、

不妊という事自体は、いけない事でもなければ、現代では5.5組に1組がなっていて

意外と身近に感じるものでもあります。その人の価値を決定づけるものではないのですが、

自分に対するセルフイメージが低下してしまうのです。

自分の体は役に立たないとか、自分の思うような結果を出してくれない事に

裏切られたような気持になってしまう事もあるでしょう。

女性として失格なのではとまで考えてしまう事もあるかもしれません。

キャリアの為とか、何かの理由で結婚を先延ばしにしてきていたり、

子どもを作るのを先延ばしにしていた場合も罪悪感を感じたりもします。

また、流産や中絶をしていたりもすると、産んであげられなかったことに対して罪悪感を感じ

自分を責めてしまったり、自分に対して厳しくなってしまう傾向もあります。

自分の今までの人生での行いが、今の不妊を招いていると思ってしまう

こんな自分だから産めないんだと思いこんでしまっている人もいます。

 

関係性が変わってしまうのではというストレス

結婚して、妊娠を意識するまではあまり考えずに自然に楽しめていたことが、

妊活をして子どもを作ることが目的になったとたん、

夫婦間でもぎこちなく感じることが増えたり、けんかが増えたり、

イライラすることや不満に感じることが増え夫婦の関係性が変わってしまうという事も

おこりやすくなります。

女性も、男性も、義務的なセックスにはストレスを強く感じています。

子どもが中々できない自分の体に対して、好感的に思えないため

体調がすぐれないという事も体験しやすくなりますし、妊娠しやすい時期以外の期間での

性生活も妊活と結びついてしまって2人がリラックスできない関係性となりやすくなってしまいます。

自分に原因がある場合も、パートナーに原因がある場合でも、

コミュニケーションをとる際に今までのような円滑で良好なコミュニケーションが難しく

なってしまう事もおおくなります。

責めるつもりはなくても、相手に妊娠しやすくなるよう行動を改める様要求してしまっていたり

運動しない、体に良くないものを食べる、帰りが遅い、タバコを吸うなど

気になる点が目についてつい相手を変えさせようとしてコントロールしようとしてしまう事も

増えてしまいます。

 

子どもがいない未来将来へのストレス

子どもがこのままできずに妊娠しない自分の将来や未来を思い描くと

とても悲しい気持ちや寂しい気持ち、惨めな気持ちを味わう事が少なくありません。

子どもがいる未来、老後に孫がいない未来を思うととても強いストレスを感じもします。

また、養子縁組などを考えても、血のつながった子供が欲しいという気持ちも

あるため、自分達の実の子供がいないという事に対してはとてもつらい現実になると

不安な未来を思い描く傾向もあります。

妊娠できない期間が続くことで、この不安がずっと続くのかと思うとそれを

味わい続ける事にも不安を感じもします。

くらいトンネルの中をもがき続けて、いったいいつになったら抜け出せるのかと

今不幸な真っ只中にいるような感覚にすらなってしまいます。

 

よくある不妊のストレスから 自分の不安を突き止めよう

悩み考え込む女性

自分の不妊ストレスを軽減していくには、自分のストレスのもとが何にあるのか、

どんな点により強いストレスを感じているのか自分のことをよく理解してあげることが

軽減に向けての第一歩となります。

 

よくある不妊のストレスについて、自分にも当てはまるものもあった事でしょう。

自分自身の不安やストレスについて、ストレスが溜まっているなぁ~

なんだかイライラするなぁ~といった程度ではなく

自分が抱えている不安・ストレスに向き合っていきましょう。

 

自分が抱えている不安や心をモヤモヤさせているものストレスになっているもの

自分の周囲の人との関係性と合わせて記録しましょう。

まずは抱えているストレスを書き出します。

自分の周りで妊娠している人はいませんか?

その人との関係性が、自分が置いてけぼりのような感覚になっていないでしょうか。

パートナーとの関係性でうまくいっていない点がありませんか、それが不安や焦りに

つながってはいないでしょうか。

友達とのかかわり方が変わったりはしていないですか?距離を置くようになってしまってはいませんか?

過去の流産や中絶、結婚を先延ばしにしてきた点など過去の事はどうでしょう。

未来・将来のことを不安に感じたりしてはいないでしょうか。

そして、

自分が感じているストレスは過去の事なのか、今の事なのか、未来の事なのかそういった点も

チェックしておきましょう。

過去の事には P(past)

今の事には N (now)

未来の事には F (future)

を書き込むことで、自分がどんな事にストレスをより多く抱えているのかもわかります。

自分の今の状態を客観的に捉え、自分が把握し理解することがストレス軽減の

第一歩になります。そしてストレスへのコーピングができることで不妊リスクを回避していかれます。

 

 

まとめ

自分がストレスを強く感じていると、何を考えていてどんなことに囚われて、

どんな感情を抱いているのかすらよくわからなくなってしまう事すらあります。

悲しいのか起こっているのか、苦しいのか、それすらわからず悶々としてしまっている事すらあります。

自分がどんな場面に出くわすとどんなことを考え、どんな気分になるのかを知っておくことで

対処の仕方がわかるようになっていきます。

何に不安を感じているのか、どんな事が心配なのか、そしてそれに対して

どう対処していったらよいのか、何をすることが最善なのか

コントロールできるようにしていくことです。

マインドフルネス・瞑想や、認知行動療法など、自分でできるメンタルケアの

スキルを習得しておく事はポジティブに妊活をし、妊娠しやすくなるためにもとても重要になります。

 

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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