つらい生理前そわそわやストレスに 認知行動療法脱フュージョン

つらい生理前そわそわやストレスに 認知行動療法脱フュージョン

妊娠できないストレス、不妊治療のストレスは不安と焦りで生理前になると

本当にそわそわのもとになって苦しいものになっています。

ストレスへの対処方法として瞑想や認知行動療法は科学的根拠があり多数研究でも

効果が証明されています。不妊ストレスは、妊娠できない事、

何度もリセットを繰り返しているうちに自分自身の価値観が損なわれていくかのように

感じられてしまうという感覚に陥る事もあるかもしれません。

研究では、不妊治療を始めると生活の質が低下し、精神疾患の罹患率も高まる傾向があり、

人生そのものにも影響が出てきてしまっているうえに、授かるという不確かさの中で、

希望や安心が得られにくくもなってしまいます。

頑張ったら頑張っただけという成果が目に見えるものでもないだけに難しさを感じずにいられないかもしれません。

 

妊活ストレス対処に認知行動療法

最近の心理療法では第3の認知行動療法として脱フュージョンというテクニックが

用いられるようになっています。ストレスへのケアで妊娠しやすさも変わってくると

いわれているため、取り入れていくことで、妊娠するためにはストレスを抱えていると

よくない!何とかしなきゃ!考えないようにしないとという事でふりまわされにくくもなります。

生理前のそっわそわは、仕事も手につかない、なんか落ち着かなくてイライラしたり

気分が変化して落ち着かず妊活中の悩みの1つにもなっています。

ネガティブは消そうとしても消えないですし、ストレスは発散させようとしても

発散させるどころかかえってストレスを抱えてしまう事が多いという事が

アメリカ心理学会の研究でも言われています。

正しくケアできないとストレスは軽減していかないということで、

この脱フュージョンは、ストレスを消すことが大事なのではなくて、

自分の思考と感情をじっくり観察する方法を学ぶところがストレス軽減には重要になるという事です。

 

脱フュージョンとは

マインドフルネスを概念とするアクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)で用いられている技法です。

認知的脱フュージョンとも呼ばれ、認知的フュージョンから思考と距離をとっていく技法になります。

私たちは、出来事と、認知(イメージ)を結びつけています。

例えば、

何度も妊娠できない自分は 女性として価値がないのでは、嫁として失格ではという

認知につながっていきやすいくなります。

そのイメージが現実と結びつき(フュージョン)をおこすと、

次からは、何をするにしても、どんな時でも「自分はダメだ、価値がない」と信じるようになってしまいます。

これが、認知的フュージョンと呼ばれる現象であり、

人はイメージと現実を脳内の同じ分野で処理しているため区別ができないことで生じてしまうのです。

そのため、その結びつきを話していくことがこの脱フュージョンとなります。

 

 

脱シュージョンで不妊ネガティブから離れる

ストレスを感じた時にその感情から自分がちょっと距離を置くことができると

心拍変動が高まるという事がわかっています。

ペンシルベニア州立大学の実験では、35〜85才の男女909名を対象にした、ストレスを感じた出来事や

そのおストレスに対して抱いた感情へのインタビュー、心電図のデータなどから

ストレスを本当に感じているのかどうかがわかり、

ストレスに対して強いか弱いのかもわかってしまうといわれています。(1)

この研究では、ストレスに感じている感情と距離をとった人は心拍変動が高まったのです。

 

「ネガティブな思考と自分を切り離して、否定的な感情に巻き込まれないようにする方法」

というのが脱フュージョン。

そのままネガティブ感情に飲み込まれてしまうのは避けたいところ。

なぜなら、人は感情によって次の行動すら変わってきてしまうからです。

たとえば、「自分は妊娠できないなんてダメだ。みんなと違う、話も合わない」とか考えた場合は、

友達と合う事も距離を置きたくなってしまうことでしょう。

でも、そう思った自分の思考を客観的に見つめることができたら、「自分はダメだ、みんなと違う、仲間に入れない」

→「もうみんなに会いたくない」→「誘いは断ろう、家にいよう」

といったネガティブな連鎖に落ち込んでいくのを食い止めることができます。

孤立するほど、孤立感が強まり、人はさらにストレスを感じるようにもなってしまいます。

 

不妊ストレスから離れる 脱フュージョンのテクニック

 

1.「・・・と考えた。・・・と思った」

「自分はダメだ、価値がない」とネガティブなイメージを持ったときに、

「ダメだ」「ダメだ」「ダメだ」・・と何度も繰り返し口に出し、

最後に「・・と考えた。」と付け加える方法です。

何度も繰り返し口に出すことでイメージを音声や言葉に分離する行動になり、

さらに「と考えた。」「と思った。」とすることでイメージと自分の間に距離がとれ巻き込まれなくなります。

この方法を使うと、一気に思考と距離を取れるようになり、

ネガティブな感情に巻き込まれにくくなるので口に出していった後に、と考えた。そう言ってみましょう。

2.「ダメ子」が言う

「自分はダメで女性として価値がない」と思っているのは自分ではなく

「ダメ子」が言っているのだと、言語イメージにラベリングすることで、

自分と現実とイメージを区別する技法です。

 

3.歌にして歌っちゃう

ネガティブなイメージを明るい曲に乗せて歌ってみる方法です。

「私は~ダメダメで、女性としては価値がないんだ~~♪」ネガティブなイメージを歌にすることで、

本来の思考が持っている意味が曖昧になり一気に思考との距離が取れるようになります。

自分で口ずさむことで、どんな感情が生まれるのか、

そしてその後歌ってみる事でその感情がどう変化するのかも観察してみましょう。

でもなんだかあほらしく感じられてしまう事でしょう。

なので、ネガティブに考えていくことそのものが難しくなる技法かもしれませんが、

ポイントはそこではなく、どんなネガティブな思考でも本来は、ただの言葉にすぎないことを

確認するのがカギです。ただの言葉に自分の感情が振り回されたりネガティブになっている事

に気づくことで解放されていきます。

 

4.アナウンサーになって報道する

私は妊娠できない事でダメになってしまっている模様。価値もないって考えているようです。

といった感じで、自分の考えをアナウンサーになって報道するかのように言ってみるという方法です。

 

5パソコンのモニターに表示する

ネガティブな思考を思い描いたイメージのパソコンのモニターに表示させてみる方法です。

「私はダメだ」とか「私は価値がない」と思ったら、

そのフレーズを小さな声で口に出してみて、自分のなかにどんな感覚が生まれているかをチェックします。

目を閉じて、「自分はダメだ」というフレーズがPCの画面に

文字フォントで表示されている様子を想像します。

「自分はダメだ」というテキストの色とフォントを、黒からピンクや黄色、

明朝体や丸文字などに変えてイメージの中で遊んでみるのです。

「自分はダメだ」というテキストを画面の下にもっていき、カラオケの歌詞表示のように、

左から右へ色が変わっていく様子をイメージするのもよいでしょう。

 

まとめ

脱フュージョンのテクニックはこのほかにも無数にありますし、

理論があてはまればいくらでも作り出せるという点もすごいですね。あなたが自分で作ってみてもいいと思います。

使いやすいテクニックを覚えてストレスを感じたときに実践できるととても便利です。

なんとなくばからしいな、あほらしいなと感じるようなテクニックもあるかもしれません。

でもそんな風にちょっと自分の思考を距離を置いて、客観視してみる距離をとってみる事で

ストレスやネガティブ感情に振り回されなくなっていきます。是非試してみてください。

 

参考文献

「ストレスに負けない生活」著者 早大教授 熊野宏昭氏

「スタンフォードの自分を変える教室」

「ハーバードの人生を変える授業」

幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門

超ストレス解消法 著者 鈴木裕

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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