流産後に不安になるわけと対処するには?

心が抱える心理的なストレスが流産と関連していますし、
また逆に流産後はとにかくつらい体験をします。
妊活をしていると、女性は時々思いがけず流産を体験します。
そして、その流産後には不安を強く感じます。
その不安を何とか対処していくことが次の妊娠や流産回避にも
とても重要になっていきます。
流産後にはよく不安をかかえる
妊娠して妊娠初期に赤ちゃんを失ったという体験は悲しくつらく、
さらにその後に不安やうつなど気分障害も問題になっています。(1)
流産を経験した後に、うつ病や不安を感じる事は珍しくありません。
うつ病はわりと問題意識がありますが、不安は割と誰にでも
起こるものだし、何か特別対処が必要なものだという思えないものでも
あります。
流産後、女性の68%がその2年後もこころが動揺し、
64%がその後の妊娠していくことに影響を及ぼしたと報告しています。(2)
でも、この不安というのは想像以上に影響が大きいものです。
そしてその部分に精神的に負担がかかった部分をケアしておく必要性が
あるという事が言われています。
流産後にこんな思い当る事はありませんか?
流産後のよくみられる不安のタイプは、以下の通りです。
・全般性不安障害(GAD)
・強迫性障害(OCD)
・急性ストレス障害(ASD)
・心的外傷後ストレス障害(PTSD)
流産による不安は、女性は男性よりもより不安障害を
経験する傾向があります。
全般的な不安障害(GAD)
妊娠後、赤ちゃんの存在を失ったことで、流産後の手術の後の事、
また次に流産を繰り返してしまうのではという不安、流産の原因が
何だったのだろうかなど恐怖心は悲しみや喪失感に加えてより不安を高めています。
- 持続する落ち着きのなさ
- 倦怠感
- 集中力の低下、時には記憶障害を伴う
- 過敏性
- 筋肉の緊張と痛み
- 睡眠障害
急性ストレス障害(ASD)
- しびれ感または感情的反応の欠如
- 気分が悪い、または自分の外にいる
- 外傷の側面を思い出すことができない
- 繰り返し考え、夢、またはフラッシュバックして何度も思い出す
- 流産を思い出させるものを避ける
- 持続的な苦痛
心的外傷後ストレス障害(PTSD)
1か月以上続くと定義されています。そして、
186人の女性のうち 、28%が3ヶ月の追跡調査の結果、PTSDの可能性の基準を
満たしていました。思った以上に流産を経験した女性が多く
精神的な苦痛を長く持ち続けている可能性はとても高いのです。
流産後の不安をより高めるリスク要因
流産のリスクは年齢やさらにライフスタイルなどの影響によって
ちがうものの、近年では増加傾向にあり、10%~25%が流産を
体験しているといいます。(3)
流産を体験したみんなが不安やうつで悩むばかりではありません。
でも、さらに、流産後の不安をより高めるリスク要因についても
わかっています。(4)
・計画していた妊娠喪失の場合、
・不妊歴がある場合
・妊娠までに長い期間がかかった場合
・流産の警告兆候がなかった場合
・過去にも流産の経験がある
・妊娠後期年齢での喪失
・他に子供がいない
・社会的に孤立感を感じている場合
・パートナーとの関係が緊張状態にある場合
・対処能力スキルが不十分な場合
流産後の不安の対処法
流産を体験した場合、不安を感じているのはあなただけではありません。
ほとんどの研究では、想像以上に一般的な経験となっている事を
示しています。流産後には不安や抑うつがみられるというだけでなく、
更に問題になるのは、これらの症状が持続する傾向があるという事
なのです。うつ病や不安は時間とともに徐々に減少するといっても、
死産などや乳幼児突然死症候群のように乳児の死亡を体験した場合は、
30か月しても心理的な苦痛度は2倍の高さで持続しました。(5)
そして、イギリスの13000人の女性を対象にした研究では、(6)
流産の体験をした女性は15%が33か月後も持続的な抑うつや不安を経験している
こともわかり、決してそのままにしていてはいけないものなのです。
これらの心に抱えている不安に対し、資格のあるメンタルヘルスの
専門家と協力して不安を和らげ、失ったコントロール感を取り戻し
ながら次の妊娠を目指すことが大切です。流産後はどうしても次の
妊活の事も気がかりでいつからなら妊娠できるのか、妊娠しやすさに
変わりはないのか、知りたい事は多いでしょう。
まずは自分の心を癒す事、心の支えになるサポートを求める事を
忘れないでくださいね。