潜在意識で妊娠する ダメって思う自分を受け入れる認知行動療法

認知行動療法によって妊娠率が高まるという事が研究されています。
心を変えると妊娠しやすい。心のトラブルは自動思考という無意識に色々
考えていて、それをどんな枠組みで認知しているのかという潜在意識からの
無意識にやている影響がとても大きいところ。メンタルを変えていくだけで、
人は精神的にもそして、連動して体も健康的になっていくということなのです。
認知行動療法は、メンタル改善にとっても有効な心を変えていくためのものになります。
妊活中はストレスフル。そんな心の健康の支えにも、助けにもなってくれるものです。
中々妊娠できない自分を責めてしまう
妊娠できない自分はダメなのではないだろうか。
女性として、人として、なんか価値がないような気分にすらなってしまう、不妊の悩み。
頑張っているのに妊娠という結果がついてこない事で、自分はダメ、夫はダメなんでは?
そんな風に責めたり疑ったり、不安になったりもしてしまいやすいかもしれません。
こんな風に、心の中で、色々考えていると、ストレスのもの。
あなたの認知や思考の歪みを良い方向性に矯正していくことでメンタルの問題を改善していくことが
できる科学的根拠がある療法なのが認知行動療法です。
認知や思考の歪みも毎日少しずつ治していくことで、心は元気に青空のように澄み渡っていきますよ。
認知行動療法は潜在意識を変えていく
認知行動療法がうまれたのは、アメリカの精神科医であるアーロン・ベック氏の「認知療法」(1)や
臨床心理士のアルバート・エリス氏の「論理療法」(2)がもとにいます。
そしてその根っこの部分には、次のような考え方があります。
メンタルの苦痛や精神病は認知的要素によってもたらされる。
自分自身や世界、未来に対する不適応な認知や偏った思考が、ある状況下で決まった自動思考パターンを生み出す。
こうした認知の歪みを正すことでメンタルの苦痛や問題行動を改善するのが認知行動療法である。(3)
心の中の無意識な思考とその認知の癖が自分の心の苦痛や問題につながり
さらには行動にも影響が出てきてしまうため、それを改善していくことで、
メンタルや人との関係性や、妊娠しやすい体作りなどにもつながっていくのです。
ストレスは不妊の大敵
ストレスをためていると、ストレス物質であるコルチゾールが分泌され、体の中では
炎症反応がおきたり免疫バランス崩れてしまうため、受精や着床しにくくもなって
しまうのです。ホルモンバランスにも影響がでてしまうのです。
心の苦痛って形がないのに、こんなに生命の誕生にまで影響が出てしまうのですから
無視できないところだと言えるでしょう。
認知行動療法でメンタルはこんなに改善する
認知行動療法って、心の健康に役立つ、妊娠しやすくなうように役立つという事がわかったところで
実際にどんな効果があるの?という部分を2012年に発表されたメタ分析研究(3)をもとに
ご紹介します。これは108もの信頼できる関連研究をまとめた研究で、
様々なメンタルの病に対する効果を調べてくれているのです。
以下のような症状、メンタルの病気、ストレスに対しても効果が出たという事です。
- 依存
- 不眠症
- パーソナリティ障害
- 怒りや敵意
- 犯罪行為
- 一般的なストレス
- ガンなど医療が必要なコンディション
- 慢性疲労、慢性痛症
- 統合失調症
- うつ病、気分変調症
- 双極性障害
- 不安障害
- 身体表現性障害
- 摂食障害
これだけ精神面やそれにまつわる身体の症状の軽減などにつながるのですから、
かなりストレスがかかる妊活や不妊治療を受けている女性にとっても有効と言えるものであり、
ストレスによって流産率も高まってしまうのですから、
そういった点を回避していくのにも役立てられそうです。
詳細記事
CFT(コンパッション・フォーカスド・セラピー)がダメな自分を癒す
認知行動療法は科学的に信頼性高いメンタル治療法であり、CFT(コンパッション・フォーカスド・セラピー)
という認知行動療法のから枝分かれしたような療法があります。
イギリスのポール・ギルバート博士がはじめた心理療法(1)で、
恥や自己批判、自己否定といったメンタルを解決していくという点に特化されたものです。
ついついしてしまう、自己否定や自己批判、
そして、そんなクセは、他者否定や他者批判にもなってしまいがち。
あ~~~。妊娠しない自分はみんなと違う。みんなと同じようにできるようになりたい。
できない自分はダメだなんて責めることをやめて、
自分を信頼し、心立て直し、前向きに取り組める心を育てていった方が、
ポジティブに妊活できますよね。
そんなCFTで注目したい点は「セルフコンパッション」という概念です。
セルフコンパッション研究の第一人者らがテキサス大学で行った研究(4)によると、
セルフコンパッションは、自分への思いやり、一般的な人間らしさへの理解、
マインドフルネスといった要素から成り立っているようです。
どんな自分も優しく受け容れることから、心のトラブル回避につながっていくのです。
あなたが、自分を責めたり罪悪感を感じれば、物事は悪循環に向かってしまいます。
自分で自分を追い込んだり傷つけたりするのをやめて、あなたはあなた自身に、
少しだけ優しくできるようになることが問題解決につながっていくというものです。
認知行動療法は妊娠率をも2倍以上に高めてくれる
デンマークの信頼できる39論文2746名研究をメタ解析した論文では、2014年4月までに発表されている
外受精での心理的なサポートプログラムを行って、心理的要因、抑うつや不安といったスコア
は0.59倍に有意に改善した上に、妊娠率は2.01倍に有意に増加したのです。
心理的サポートプログラムは、男性より女性により有効であるという事もわかり、
認知行動療法と心理療法の有効性が示されました。
認知行動療法では、自動思考をキャッチして、それを一つ一つ体験と感情、身体への変化と行動とを
分析しながら、自分の認知のゆがみに気づきながら捉えなおしをしていくようにしていきます。
この自動思考はマインドがパッと浮かぶ思考がポジティブの場合はよいのですが、
ネガティブなものが多いとそれが何度も繰り返されると精神的に良くない状況に
なっていってしまうため、こういった自動思考に気づき介入していくことも大切ですし、
自分の思考・イメージと感情とを切り離していくような脱フュージョンといった心理テクニックなどもあります。
意識は無意識に色々な事を考えます。顕在意識には潜在意識からの影響が大きく、
ネガティブな自己イメージがあると、
それに伴った思考を繰り返してしまうため、無意識に発動する思考を意識的に
捉え直しをすることでストレスは軽減し妊娠しやすくなっていきます。
まとめ
あなたの潜在意識のなかにある認知のゆがみを少しづつ改善し、メンタルをいい状態に
回復させて行くこと、自分を受け入れ、マインドフルな状態になっていくことで、
本来の良いところを引き出し、心身ともに健康になっていきましょう。
そうすることが妊娠しやすい心と体作りにつながっていきますね。
潜在意識で妊娠するには、まずは心のケアからですね。
参考文献
Beck AT. Cognitive therapy: Nature and relation to behavior therapy. Behavior Therapy. 1970;1:184–200.
Ellis A. “Reason and emotion in psychotherapy.” New York: Lyle Stuart; 1962.
Stefan G. Hofmann, Anu Asnaani, Imke J.J. Vonk,Alice T. Sawyer,Angela Fang,”The Efficacy of Cognitive Behavioral Therapy: A Review of Meta-analyses“,Cognit Ther Res. 2012 Oct 1; 36(5): 427–440.
Paul Gilbert,”Introducing compassion-focused therapy“,Advances in Psychiatric Treatment, Volume 15, Issue 3 May 2009 , pp. 199-208.
Kristin D. Neff,Katie A. Dahm,”Self-Compassion: What it is, what it does, and how it relates to mindfulness“,Handbook of Mindfulness and Self-Regulation pp 121-137.