妊活に必須のビタミンD 思った以上に不足しているかも!

妊娠に必用といわれる栄養の中でも炎症効果も高いビタミンDは
必要レベルまで高めておく必要性は感じます。
ビタミンDは脂溶性のビタミンで、(1)不妊治療や生殖、出産などにも
影響を与えるという事が言われるようになっています。(2)
ビタミンD は妊娠、そして産むこと、さらに妊娠期間中にも必要になる
大事な栄養素のようです。
ビタミンDは妊娠や出産に必用
血液中のビタミンD濃度を反映する血中25(OH)D濃度が妊娠や出産に関係する
という事が18-39歳の女性とその男性パートナーを対象に研究されています。
ライフスタイルの妊娠する力への影響を調査するコホート研究(ISIS Study)に参加している
健康であり、不妊症でない初めて子供を望む、18-39歳の女性とそのパートナーが
対象で、食品調査やサプリの調査もしています。(3)
ビタミンDの摂取量・血中25(OH)D濃度が推定平均必要量とされているレベルに達しているグループと
不足グループ、欠乏レベルのグループと期間内に妊娠・出産に至った割合を
調べると、132名の女性の食事からの1日のビタミンDの平均摂取量が必要量をみたしていない女性は37.1%、
そして平均の血中25(OH)D濃度が充足濃度とされているレベルに達していないのは女性は13.9%いました。
そして、妊娠に至った割合も、出産に至った割合も、
ビタミンD濃度や、血液中25(OH)D濃度が推定量を満たしているグループの方が多かったのです。
さらにその後栄養や食事の質を補正した場合は妊娠率に有意な差がなくなったことから、
妊娠・出産を望む場合はビタミンD濃度が推定量を満たせるようにしっかりとっていきたいですね。
ビタミンDは不足している人でないと意味ない?
ビタミンDの補給は、子どもを産む生産率に本当に影響をあたえるかどうか
という視点では、葉酸であるビタミン摂取と比べ注目はされていません。(4)
不足している場合は補った方が良いという事ですが、
まだまだ研究がすすまないと分からない部分もあるかもしれません。
でも、ASRMの会長であるヒュー・テイラー医学博士は太陽の光を
浴びていない、その機会が少ない場合は、ビタミンDが足りない状態に
なっていて、補った方が役立つ可能性があるという事も言っています。(5)
ビタミンDをしっかり補っていたグループは出生が多かった
デンマークのコホート研究で、10年間にもわたるビタミンDを強化する
プログラムにそって、その期間にビタミンDを多く含むマーガリンを
使ったグループと、移行期と、ビタミンDを補わないグループとで比較したら
食事からビタミンDをしっかり補給で来た不妊女性は大幅い出産の可能性を
高めたと言います。(6)
1980年6月1日から1991年8月31日までの期間、
女性不妊と診断された16,212人の女性の記録を調査しています。
この研究の最初の5年間は、デンマークでのマーガリンの必須ビタミンD
強化プログラムの範囲内でした。というのも、1962年から1985年5月31日までは、
デンマークのすべてのマーガリン製品はビタミンDを補強していました。
(成人の1日あたりのビタミンD摂取量の13%分)
そしてそのプログラムの移行期、そして中止後でビタミンが補強されていない期間での
診断を受けたからの出生数を見ています。
その結果、ビタミンDある群はビタミンDない郡と比べて
不妊の診断をうけてから12ヶ月で出生する可能性が87%高く、
移行期のウォッシュアウト期間中に診断された女性は、
ビタミンDない郡と比較して、出生の可能性が52%高かったという事です。
少しでも補給してある方が高く、さらにしっかり補強されているほど、
出生にプラスに働いた可能性が高いという事ですね。
ビタミンD不足は男性不妊にも影響するかも
ビタミンD不足は男性の精子の質にも影響して、
ビタミンDレベルの減少すると、精液品質、低精子数、異常な運動性や異常な形態
に関連します。(7)一般集団300人を集め、その中で40人を対象に
調べて、44%がビタミンDが不足していたと言います。
雄マウスの研究でも、同じようにビタミンDが欠乏すると、
交尾しても妊娠しない、不完全な精子形成、精子が変性変化、
精子数の減少したりなどがみられています。(8)
ビタミンD不足は女性だけでなく、男性でも妊娠しやすさ、生殖に
影響がでているようです。
サプリで補ったとしても不足レベルなのがビタミンD
この食事調査ではサプリの摂取についても調査されていて、サプリで補っている
という人でも不足している割合が多い事から、
食事からそしてビタミンDサプリからもしっかり摂取している必要性が感じられます。
ビタミンDは食事から摂取する事、そして太陽光を浴びる事で体内で作られています。
日本の内分泌学会での目安は(9)以下のようになります。
欠乏 20ng/mL未満
不足 20-30ng/mL
充足 30ng/mL以上
これだけではいったいどういった量を補えばよいのかわかりにくいので、
参考にしたいのは、多くの人のデータを解析されて必用推定量が出されたこちら(10)
- 普通体型の人(BMIが18.5〜24.9)・・・1日に3,094 IU
- 太りぎみの人(BMIが25.0〜29.9)・・・1日に4,450 IU
- 肥満の人(BMIが30以上)・・・1日に7,248 IU
体型によっても必用推定量が変わってくる感じです。
アメリカでも血中25(OH)D濃度不足する人は人口あたり4分の1といわれています。(11)
屋内での生活や仕事も増えています。積極的にとっておいた方が良いかもしれません。
まとめ
妊娠・出産においては、不妊でなくても子供が欲しいと思っていたら
すぐにでも始めたいのがビタミンD対策。
着床環境への影響も大きいので気をつけていきましょう。
気をつけていても多くの人が不足してしまいがちなのはライフスタイルの変化もあります。
全般的に見直していくのが妊活の基本になっています。
このビタミンDが持つ作用というのは抗炎症作用もあり、
不妊の要素ともなっている、肥満、インスリン抵抗性、高脂血症、
高血圧、こららは全てメタボの因子でもあり、炎症との関連性が言われています。(12)
妊娠に欠かせず、私はとても重要だと言えるでしょう。
炎症対策が妊娠力を高めてくれる