つらい妊活ストレスに負けない 心拍変動を高めるには

つらい妊活ストレスに負けない 心拍変動を高めるには

不妊の場合、ストレスはよくないと聞きますよね。でも妊活のストレスは大きく、

かなりのレベルになっています。不妊治療をした場合はその度合いがさらに高まり、

生活の質QOLまで低下してしまうほどなのです。

ストレスに対する強さを示すのに心拍変動の高さというものが科学的根拠をもって

言われるようになっています。

妊活でつらい、ストレスは発散させればよいという感覚だと逆にストレスに負けてしまいかねません。

ストレスに強いかどうかというのは、心拍変動で分かるため、

その心拍変動を高めるにはどうしたらいいかという取り組みが、

妊活女性の心の健康と、さらには身体面への影響も出てくるため妊娠しやすい体作りにも

つながっていくことでしょう。

 

ストレスの指標になる心拍変動について

医学・生理学分野では長年にわたって心拍変動と自律神経機能の関係そして、

心拍変動と心疾患(心筋梗塞など心臓に関わる病気)の発生や重症度との関係が調べられてきています。

ストレスの指標として自律神経の中でも、交感神経と副交感神経どちらが優位になるかで

心拍変動が高くなったり、低くなったりします。

正常な状態では、心拍ゆらぎがあるものなのです。

周期的な変化には、様々な体の中のフィードバックのメカニズムが関係して、

自律神経が正常に機能している場合は、呼吸と同期したゆらぎと、

血圧と同期したゆらぎが、心拍間隔のゆらぎとして観察されます。

そのため、ストレスを感じたり、自律神経機能を薬物で抑え込んだりといった事がなどによって

自律神経機能がなんらかの形で異常である場合は心拍間隔のゆらぎが消失して

心拍変動が低下してしまうのです。

ストレスがある、ないは、妊活をしていると今月はあんまり感じなかったとか、

強く感じたとか、かなり主観的に妊活ストレスをとらえている傾向が見受けられます。

でも、主観的であるほど、実はストレス対処がうまくできなくなってしまいます。

正しくストレスケアをしてこそ心拍変動は高まり妊娠しやすいメンタルになっていきますよ。

 

ストレスについては心拍変動で分かる

ペンシルベニア州立大学の実験では、35〜85才の男女909名を対象にした、ストレスを感じた出来事や

そのストレスに対して抱いた感情へのインタビュー、心電図のデータなどから

ストレスを本当に感じているのかどうかがわかり、

ストレスに対して強いか弱いのかもわかってしまうといわれています。(1)

心拍変動というのは、心拍数のゆらぎを表わす数値になります。

ストレスは心拍変動でわかる!と言われるようにもなっています。

あくまで、自分が感じているか

どうかという事よりも心拍変動を見た方が客観的で検証できるのです。

この心拍変動には特徴があり、緊張したり交感神経が優位になるほど心拍数が

メトロノームみたいに一定になるのです。

逆に、リラックスして副交感神経が優位になると、心拍数は細かく移り変わり変動がみられるのです。

そのため、心拍変動がわかれば、その人が「本当にストレスを感じているかどうか?」がわかるという事。

 

そしてこの研究にあたった研究員によると、

心拍変動が高いと変化に適応する能力が高くなり、健康にも良い結果をもたらし、

心拍変動が低いと心疾患や早死のリスクが高くなるともいわれています。

健康と心拍変動には関係があり、メンタルとフィジカルは関係しあっていて、

ストレスを感じると妊娠しにくい体にも状況にもなってしまうのです。

 

研究からわかるストレスに対処 心拍変動を高めるには

実験の結果からは、以下の2点がわかったのです。

ストレスフルな出来事を、一歩引いて客観的に見る事ができる人は、

心拍変動が高いままになり、ストレスの悪影響を受けないという事。

 

そして、ストレスフルな出来事にネガティブな感情がわく人ほど、

心拍変動は低くなっていき、ストレスの悪影響に弱くなってしまうという事です。

 

心拍変動を高めるポイントとして、一歩引いたように客観的に物事を俯瞰して見られるような

マインドフルな視点が大切になってくるという事です。

そして、自分がストレスを感じている思考にネガティブな感情をわかせないようにしていく

取り組みも心拍変動を下げないようする取り組みといえます。

 

ここで大事なポイントは、ストレスそのものなのではなく、

そのストレスに対してどのように受け止めているのかという認知の方が重要になるという事です。

日々のストレスにポジティブな態度でのぞめば、長い目で見て健康に良い影響が出てくると

ともに、イライラする状況でも落ち着きや快活さを保てる人は、

体が炎症を起こすリスクが減るとも言われています。特に、ストレスが発端でも起こる

慢性炎症は、がんや心臓病、肥満の原因になり、不妊の原因でもあります。

わたしたちのストレスに対する認知や気の持ち方が、あなた自身の健康に大きな影響を

あたえているという研究です。

 

心拍変動を高めつらい不妊ストレスに負けない

心拍変動については、ストレスへの対処だけでなく、物事をやり遂げる

意志力が高まるという事が、著書「スタンフォードの自分を変える教室」でも取り上げられています。

ものごと、良い方向に改善したいときには、

良い行動を増やし、悪しき行動は減らし、目標に向かう意思の力が必要だと言われています。

最もと言えばもっともですが、意外とストレスがかかると脳の中でも前頭葉が主に

活性化して働くことで起こる、意志の力は減ってしまうといわれています。

ストレスがあるだけで不妊リスクが高まるのに、さらにやる気がなくなって、

頑張っているつもりでも、効果的な良い行動を増やせなくなってしまうというのです。

まずは、心拍変動を高められるようにしていきましょう。

そのためには、マインドフルネス瞑想認知行動療法がなどへの取り組みが

科学的根拠もあり有効なストレス対処法と言えるでしょう。

 

 

妊娠しやすく体質改善 ストレス対策が妊娠のカギ 事例

 

参考文献

Positive Affect and Health Behaviors Across 5 Years in Patients With Coronary Heart Disease: The Heart and Soul Study.

ストレスと自律神経の科学http://hclab.sakura.ne.jp/stress_novice_LFHF.html
心拍揺らぎによる精神的ストレス評価法に関する研究Study of Mental Stress Evaluation based on analysis of Heart Rate Variability
Yoshiaki Matsumoto,Nobuaki Mori,Ryoh Mitajiri* and Zhongwei Jiang *

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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