慢性ストレスで妊娠しにくい 妊活瞑想をしよう
くり返す流産や、妊娠しにくい体質には不安や焦りといった、心が不安定な状態でいつも
ストレスを感じていることが、関係しているようです。
なので、同じ不妊治療をしている人を対象にメンタルコントロールを行った人と、
そうでない人たちの治療成果を比べると、メンタルコントロール群の方が
明らかに妊娠率が高いという研究結果もあります。
海外の生殖医療の現場では、
瞑想ヨガを取り入れていくことで体外受精前の女性の
不安やストレスを取り除いているようです。
子どもだできない妊活ストレス
健康的な男女である事が避妊せずある程度性交渉をもてていることで
妊娠はしやすくなります。そのため、健康的であることというのは大切なポイントになります。
WHO世界保健機構でも健康の定義は以下のようにされています。
“Health is a state of complete physical, mental and social well – being and not merely the absence of disease or infirmity.”
『健康とは、完全に、身体、精神、及び社会的によい(安寧な)状態であることを意味し、
単に病気ではないとか、虚弱でないということではない』
つまり、健康というのは、ただ病気やや虚弱でないというだけでなく、
身体の体力値が高く、知的には適切教育を受け、社会的(家族、地域社会、職場)には豊かな人間関係があり、
精神的にも安定している状態であり、
精神的にも、健康であること。
社会的にも、健康であること。
身体的にも健康であること。そして、これらのバランスがとれた状態で、
どれかがいい状態でなければ、健康的ではなくなってしまうという事になります。
妊娠できないとつらい気持ち、悲しい気持ち、落胆、焦り、鬱々とした気分、イライラしたりする
ネガティブな感情になりやすくなります。
精神的に良い状態であることが、子どもを授かりやすさにつながるのですが、
不妊という悩みはこのバランスを保っていくことが難しくなりやすく、
ストレスにより不妊期間が長引いたり、流産や不育症などで悩みやすくもなるので
気をつけたいですね。
心と妊娠しやすさとの関係
人の体が健やかに、命を育んでいく過程においてもメンタルコントロールは大切といえます。
状況に応じて強い不安焦りに振り回されてしまうと
自分で自分の感情のコントロールがうまくできなくなってしまいます。
心の状態と自律神経は連動しますので、不安や焦りを感じると自律神経の中でも
交感神経の方が有意になっていきます。
交感神経は、筋肉を緊張させ、呼吸を速めていき体の活動性を高めてくれる働きがありますが、
一方で、副交感神経の働きが弱まります。
自律神経のバランスが悪くなることで体は調子を崩してしまいます。
そのため、妊活中は、副交感神経を意図的に優位にするように
リラックス状態を保てるようにしていくことも大切です。
いつも心のなかに不安や焦りを感じている場合、
副交感神経の働きを優位にすることがとても苦手になっているはずです。
ストレスによる不妊の改善
最近では、不妊治療を受ける女性の年齢が高齢化していることもあり、
妊娠を望む女性へのサポートも多様化してきているようです。
不妊治療だけでなく、妊娠しにくさに影響を及ぼしているストレスへのケアや緩和の
必要性についても取り組む医師も増えています。
先進医療の力だけでなく、自然に妊娠できるような力を高めるための取り組みです。
ストレスによって排卵が抑制されることもわかってきている事、また
着床し育く、子宮環境そのもの変わってしまうようです。
治療にはストレスがともなうため、マインドフルネスやヨガと瞑想を合わせたものによって
ストレスの解放を目指してもいます。
はらメディカルクリニック院長 原 利夫(産婦人科)もそんなストレスケアの重要性を示唆する
生殖医療に携わる産婦人科医師の一人です。
参考サイト
高齢出産が増える今、自然治療を使って妊娠力を上げたい
https://www.sankei.com/life/news/170521/lif1705210026-n2.html
副交感神経を優位にする瞑想
そのためにとても効果的なのが、研究成果でも明らかにされている「瞑想」です。
これは、脳科学者である澤口先生がテレビでも話していましたね。
瞑想は、科学的に研究がかなり進んできていて、
アメリカでは医療と合わせて治療成果を高めているのが瞑想です。
瞑想というとどうしていったらいいのかよくわからないと思われるので、
まずはマインドフルネスなど呼吸に集中するということからでもいいと思います。
GABA濃度を高め不安・ストレスの緩和
瞑想を12周継続した場合、GABA(ガンマアミノ酪酸)濃度が高まるようになります。
GABAは主に脳や脊髄ではたらく抑制性の神経伝達物質で、
興奮を鎮めたり、リラックスをもたらしたりする役割をしています。
ストレスに対処するために体内でも生産されるGABAですが、
過度にストレスにさらされ緊張しているとGABA濃度が低下し、
精神的に安定せず緊張した精神状態になりやすくなります。
瞑想はこのGABAの濃度を高め、不安やストレスの緩和に役立つようです。
色々ある瞑想 不安の緩和に有効
瞑想にはいろいろな種類がありますが、どれも、うつ状態や強い不安などがある場合、
精神状態を軽減し和らげてくれるます。
マインドフルネス瞑想:呼吸に意識を向けていく瞑想
気づきの瞑想:今ある気持ち、今ある思考、今ある感覚、今の体験などに意識を高めていく瞑想
マントラ瞑想:マントラを繰り返し唱えながら思考を手放し無の境地に入っていく超越瞑想
慈愛の瞑想:自分や周囲の人や他者に向け愛や慈しみのメッセージを向けていく瞑想
ヨガ瞑想:ポーズと呼吸とマインドフルネスと組み合わせた瞑想
瞑想を行っている最中は、脳の中では前頭前皮質内側部とよばれる不安を抑える働きがある
脳の領域が活性化しています。
色々な種類がある瞑想ですが、効果的にしていくにはある程度の継続して行っていくことで
その効果をより実感できることでしょう。1回行うだけでも得られる効果はありますが、
継続して行う事により、脳内にも変化が起き、6週から8週以上継続した場合
MRIの検査でも所見に変化があらわれ、脳の神経も変化していくようです。
卵子や精子を劣化させるコルチゾールの減少
卵子と精子の質の良さが妊娠率には影響が出てきます。
細胞を劣化させてしまうものの1つに酸化ストレスがあります。
ストレスを感じると活性酸素が生成され、細胞を劣化させてしまうようになります。
また、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの分泌も増えます。
コルチゾールとは、ストレスによって発散される物質であり、免疫機能を低下させ、
血圧を上昇させ、血糖値を高めます。
気分は鬱々としやすくなり、不定愁訴が増え、うつ病にもなりやすく、
さらには不妊の原因にもなるといわれています。
瞑想を行うと、ストレスコーピングがされ、その結果コルチゾールの分泌が抑制されます。
妊婦さんの不安緩和にも有効
妊娠してからもストレスはできるだけ強くかからない方が、胎児の生育にもよいでしょう。
赤ちゃんへの血液は胎盤からつながる血管により血液が運ばれていきますが、
ストレスがかかった状態では血管が収縮し、血液循環量を減らしてしまいます。
つまり、赤ちゃんへの十分な酸素や栄養の供給が妨げられてしまうという事になります。
妊婦さんにも順調な妊娠経過を過ごせるよう、自律神経のバランスをとり、副交感神経を優位にし
リラックスできるようにする瞑想は有効になります。
カレン・M・シェフィールドによると、ノースカロライナ大学の研究では、妊娠中の女性で
週に1回以上、7週間以上瞑想ヨガを行った女性には妊婦の
不安とうつ状態が顕著に軽減していたしています。
妊娠しやすい 妊活瞑想
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参考文献
・Is spirituality a critical ingredient of meditation? Comparing the effects of spiritual meditation, secular meditation, and relaxation on spiritual, psychological, cardiac, and pain outcomes. Wachholtz AB, Pargament KI J Behav Med. 2005 Aug; 28(4):369-84.
・Blood pressure response to transcendental meditation: a meta-analysis. Anderson JW, Liu C, Kryscio RJ Am J Hypertens. 2008 Mar; 21(3):310-6.