流産後の妊活はいつからはじめていいの?
流産後の妊活いつからいいの?
妊娠して授かった命ですが、妊娠途中に「流産」という形で授かった命を亡くしてしまうこともあります。
流産の体験は、心身共に大きな負担となりますよね。
本当にショックで、悲しく女性の心の中にぽっかりと穴が開いてしまうようなもの。
やはり、早く赤ちゃんが欲しい、また赤ちゃんを授かりたいと願うカップルにとって、
その妊活再開に良いタイミングはいつなのでしょうか。
流産後の生理再開、妊活の再開時期についてお話ししていきます。
流産とは
流産とは、妊娠22週までに胎児の成長がストップし、外に押し出されてしまうことを示します。
特に、妊娠12週までは、流産の危険性が高いといわれています。
実は、妊娠全体の15%の確率で流産は起こります。(1)
年齢が上がれば卵子の老化の分、どうしても流産率は高まりますが、(2)
男性側の精子の質も年齢や酸化ストレスにさらされることで流産しやすくなってしまっています。
できれば妊娠後の流産を回避できるようにしていきたいところではありますが、
おこった流産に対しては、早くに心を癒して、前向きになれるように休むことが先ですね。
その後再び、妊娠したいと思えるようになって妊活を始めていきましょう。
流産後の生理はいつから再開する?
次の生理は、手術後1ヶ月半~2ヶ月後といわれています。
ただ、精神的ストレスなどにより遅れる場合や、流産後すぐに生理が戻る場合もあるなど、
個人差が大きく、時期はあくまでも目安です。
生理がもともと不順気味だった人は、流産後はなかなか生理がこないことも多いようです。
生理が来ない場合は、子宮の回復が進んでいなかったり、
子宮の病気になっていたりすることもあります。
あらゆるタイプの流産でも、少なくとも2週間の骨盤安静が
推奨されています。排卵は、流産後の21日後から再開する
可能性があります。(3)
流産後、2カ月以上経過しても、生理が来ない場合は、産婦人科を受診しましょう。
流産後はいつから妊活を再開していいの?
では、実際、流産後いつから妊活を再開してよいのでしょうか。
流産後の妊活は、以下の条件を満たしているときにはじめることをおススメします。
- 生理が再開されている
- 生理再開から2~3カ月以上たっている
- 気持ちが安定している
流産後に妊活を再開する目安は、再度生理が始まってからです。
生理再開については、先程お話ししました通り、個人差は大きいのですが、
流産後1~2カ月の事が多いようです。
また、2~3回、生理を見送って、ホルモンバランスの安定と子宮の機能回復を待ち、
避妊をしない性生活を再開すると良いとしている医師もおおいです。
ただ、医師によっては、やはり妊娠は年齢とともにしにくくなってしまう分、
時間のロスを減らした方が良いと考えていて、hcgの値と見ながら早めの許可が下りる事もあるようです。
流産後の妊活の再開については、流産後すぐのリスクや、
年齢とともに流産率が高まってしまう懸念
などからこれといった答えが出せず難しいといわれています。(4)
流産後の次の流産率
妊娠初期に流産をした場合は、次の妊娠をしていいタイミングを知りたく
なりますが、とても難しい。その理由として、流産後は、
妊娠までの期間をどれくらいあけるかという事に関係なく、
その後の流産につながる可能性が高くなるといいます。
だからといって妊娠できないというわけではありません。
1回の流産では、20%、2回の流産では28%、2回以上では43%です。(5)
ただ、早期流産後の妊娠期間ごとに分けてみると、6か月未満の間隔での妊娠は、
27か月~50か月の間隔と比較した場合、流産を繰り返す可能性が3.3倍高いと
報告しています。15〜75か月の期間が最も胎児の喪失が少なくなったです。
そのため、流産後は6ヶ月の期間を開けることが推奨されてきました。
しかし最近の研究からは変わっています。
デンマークでの研究では
妊娠期間と流産との関係では、妊娠までの期間が長くなるほど、
流産のリスクは高まりました。
18〜23か月の妊娠期間の女性と比較して、0〜5か月の妊娠期間の女性は、
妊娠1000あたり18.7の流産を減らし、60か月以上のIPIをもつ女性は、
1000あたり28.7の流産を経験しました。(6)
1 043 840人の女性を含む16の研究が系統的レビューに含まれた
研究から、妊娠までの期間が6か月未満の場合、
さらなる流産の全体的なリスク(リスク比(RR)0.82 95%CI 0.78、0.86)
および早産(RR 0.79 95%CI 0.75、0.83)は大幅に減少しました。(7)
最適なのはいつかはわからないものの、あまり期間をあけすぎなくても
よさそうです。
早期の流産後に夫婦が将来の妊娠をどう検討しているか、
リスクの増加、女性の年齢、バランスを詳細に検討する必要があります。
またホルモンバランスが乱れると妊娠しにくくなってしまいます。
ホルモンバランスを整えるには、気持ちが安定するのを待つ必要があります。
流産はとてもつらい体験であり、深い悲しみからなかなか抜け出せない方もいると思います。
流産後は身体の変化や精神的すとれすから、
女性ホルモンバランスが乱れてしまうのも無理がないような状態でしょう。
流産後はこころの状態も考えてあげて
妊活再開の許可が医師から出たといって焦って妊活を再開し、
悲しみも癒えず不安定な気持ちのままでまた次の流産の心配をしてストレスがかかってしまうと、
さらに女性ホルモンのバランスが乱れてしまい悪循環となります。
一般的な期間で次の妊娠を考えるのではなく、自分自身の心としっかり向き合い、
身体と心のタイミングが合うときに、妊活をはじめましょう。
また、パートナーともよく話し合って再開することも大切なことだと思います。
また何度が流産を繰り返すとより高いストレス度となっていきます。
3回以上の流産を体験した方301名と自然妊娠した1813名の方をMDIとPSSという指標を活用して、
ストレスレベルについてチェックしたところ、
習慣性流産がある場合は高ストレスレベルが41%、自然妊娠では高ストレスレベルが23.2%と
ストレスが繰り返す流産に関係がありました。(8)
ここから言えることは、心理的ストレスや抑うつ病になるリスクは
圧倒的に習慣性流産の方の方が高いということです
精神的なストレス度が高い状態は妊娠率の低下(9)にもつながっていて、
なかなか妊娠できないなぁと
また悩んでしまったりの悪循環にもなりかねません。
妊活再開まえに、まずは心のケアはもちろん、
流産を引き起こすリスクを下げるための取り組みもしておきましょう。
流産の原因にはライフスタイルの影響もありますし、どんな原因で
あっても、いたわる愛情のある心理な支援は妊娠、そして出産に有効です。(10)
まとめ
流産後の生理の再開、妊活の時期についてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか?
流産は、身体そして心に大きなダメージを与えます。
次の赤ちゃんに早く会いたい、次の赤ちゃんに授かることで、
流産の辛い体験を癒したいと思われる方もいるかもしれません。
しかし、まずは心身を休め、妊娠しやすい心身に整えることを優先に考えましょう。