つらい流産後すぐ妊娠できるよう気をつけたい生活とは |

つらい流産後すぐ妊娠できるよう気をつけたい生活とは

流産はとてもつらい体験ですよね。でも、早く赤ちゃんに会いたい方にとって、

流産後のケアは、体力の回復だけでなく、その後の妊娠にとっても、とても大切です。

流産後の無理はとにかく禁物です。

初期流産の場合、妊娠したことを会社に報告していなくて、休みたいと言いにくい、

周囲に気づかれないように気を遣う、普段以上に頑張って気を紛らわせる・・・そんな方もいるかもしれません。

しかし、次の赤ちゃんのためには、心身の回復を優先し、しっかりと休みましょう。

今回は流産後の生活についてお話ししていきますね。

 

 

1.流産について

妊娠できた、妊娠が分かったとき、とにかく赤ちゃんが無事に元気に育って欲しいと願いますよね。

しかし、残念ながら流産の確率は全妊娠の約15%起こります。

決して低い確率ではないですよね。誰しも流産になる可能性があるといえます。

また、母体の加齢とともに発生頻度は高くなり、特に40歳以上では流産率は40~50%になります。

流産の原因には胎児側によるものと母体側によるものがありますが、

自然流産のうち50~60%は胎児側の異常によるとされています。

流産の原因として、血圧の上昇や、ストレス、免疫状態なども関係するため、

母体側についてもケアをしていってあげましょう。

 

2.流産後の生活について

流産は、病気ということではありません。しかし、一度、妊娠状態になった身体は、大きく変化します。

流産といっても、小さな出産と同じで、目には見えなくても、身体は大きなダメージを受けています。

しっかりと身体を回復させ、妊娠できる状態にきちんと戻してあげることは、とても大切なことです。

 

処置後~1週間

この時期は、とにかく無理は禁物です。

仕事や家事もできるだけ控えましょう。

処置を受けた場合、子宮内腔が傷ついており、炎症が起こる場合があり、それが原因で、癒着などを引き起こすこともあります。

また、出血しているうちは入浴は控え、シャワーのみにしましょう。

出血は、流産してから1週間~10日以内でおさまってきます。10日以上出血が続く場合は、医療機関に受診しましょう。

 

流産処置~1ヶ月

流産や処置の1ヶ月くらいで次の生理が来ます。

この時期は、まだ、激しいスポーツは厳禁です。家事や仕事も無理をしないようにしましょう。

徐々に慣らしながら、元の生活に戻していくようにしましょう。

もしも、2ヶ月たっても生理が来ないようなら、一度、医療機関を受診しましょう。

 

流産から~100日

生理を2、3回見送った後から、妊活してもよいと医療機関で指示されることが多いようです。

それまでの期間で妊娠しても、過度に心配する必要はありません。

 

 

つらい流産後 次の妊娠のために大切なこと

妊娠前の1247人のタンザニアの女性のコホートにおける高血圧前および高血圧の危険因子を決定する

研究からは、

高血圧の有病率が低いにもかかわらず、女性の3分の1以上が高血圧の一歩手前状態だったのです。

高血圧前の女性が適切な介入なしに年を取るにつれて高血圧に進行する可能性があるため、

今後の大きな課題を提起された研究(1)で、

肥満は、高血圧前および高血圧の唯一の最も重要な変更可能な危険因子であった点と、他にも、

血圧と不妊との関係の研究(2)によると、

1228人の妊娠を目指す女性の血圧を測定し、その後の妊娠予後を追跡した結果、

妊娠成立前の血圧の平均値は、収縮期111.6 mm Hg 、拡張期72.5 mmHgだったのですが、

諸因子調整後、拡張期血圧が10 mm Hg 上昇すると流産リスクが18%も上昇したのです。

平均血圧が10 mm Hg 上昇すると流産リスクが17%上昇したため、

少しの事で変動する血圧ですが、

日頃の生活習慣で徐々に血圧も変動していってしまいます。

肥満や、運動不足、食事、ストレス、睡眠不足、喫煙には気をつけながら妊活をしていきたいですね。

妊娠成立前の血圧は不妊症や生産率とは関連しなかったのですが、

流産率とは関係があった点から、気をつけたいところですね。

 

①程よくあたためる

冷えは流産後の身体に、大きなダメージを与えます。

また、トラブルを引き起こす原因になってしまいます。しっかりとあたためるようにしましょう。

あたためるといっても、ホッカイロなどを使用するのではなく、

首、手首、足首を衣類などで保温する程度で充分です。

寒い冬や、エアコンを使用する夏場は衣類などで必要以上に冷えてしまうのを守ってあげる程度で大丈夫です。

 

そして、流産したのは冷えたからだと思わないでくださいね。

もともと最も妊娠しやすく受精卵が育つのは37度です。そのため体外受精でも

妊娠率が高い培養液は37度でありそれ高くても低くても妊娠率は下がっています。(3

人工的に何かで体温を高めなくても、自然と妊娠しやすい体温を私たちは維持できるようになっています。

しかし、平熱が低いという場合は活動量の低下や筋力量の少なさやホルモン分泌が

乱れている点も見落とせないでしょう。

運動不足、活動量不足もあり、そういった点から血行促進や体温を高めるという事をするのはよいですが、

基本的に卵子も精子も高温は苦手です。自然な37度を保てるようにしてあげましょう。

 

 

②睡眠・休息

身体を回復させてくれる最高の治療は睡眠です。

眠っている間に身体は、回復していきます。

睡眠時間は8時間を目安にそれよりも長すぎる必要もなく、

短すぎないようにしていきましょう。

睡眠不足や睡眠障害により妊娠率は低下していってしまいます。

流産後の精神的に落ち込んだりして、眠りにくくなったり、

途中で目が覚めて熟睡できなくなることもあるかもしれません。

そんな時は、寝ないとと焦らずに、お布団からでて、ちょっと

呼吸に意識を向けてみると、気持ちも穏やかに瞑想効果も得られますよ。

また、日中にお昼寝のような15分ほどのちょっと目を閉じるような習慣をだけでも構いません。

 

③食べ物

炎症反応が高まったり、インスリン抵抗性が高まると不妊リスクが高まったり、

流産リスクも高まってしまいます。

体の抗酸化作用を高めるような食生活をできるだけ心がけていきましょう。

また、ストレスがかかる際は亜鉛などは消耗が激しく不足してしまう傾向があります。

地中海式の食事療法を参考に、野菜や果物をたっぷりと摂取し、

食物繊維が豊富にし、ナッツ類や魚類が多い、オメガ3脂肪酸を多く含む食事や、

精製された糖分などはできるだけ控える様にしていきましょう。

 

④適度に体を動かす習慣を

適度に体を動かいしてるほど、脳への血流がよくなり精神的にも落ち着いていきます。

流産後は何かと落ち込んだり、悲しみがあふれてくる時期もあるでしょう。

ちょっと気分転換に自然の中をお散歩してみたり、

体を動かすようにしていることもメンタルの改善にもつながりますし。

 

⑤心のケア

何よりもつらかった自分のこころの整理をつけてあげましょう。

辛い時はつらいを受け止めてあげたり、流産から得られた学びとか

人生にどんな意味があったのかという点を自分なりに振り替えることができると

とても悲しい出来事ではありますが、ポジティブな事として受け止められるようにもなっていきます。

これから先ずっと、苦しまなくてもよくなっていきます。

無理する必要性はありませんので、まずはご自身の心と体をいたわってあげるために、

落ち着ける事、したいと思える事、好きな事をできるようにしてあげましょう。

また、テンダーラビングケアといって、思いやりいたわりのケア

心理サポートやカウンセリングは精神的なストレス度を軽減し、

次の流産の回比率も高めていきます。(4)

 

 

流産には男性側の年齢や酸化ストレスも

不妊の原因が男性側にもあるという事は結構知られてきている事ですが、

繰り返す流産や不育症にも男性側の原因が関係するかもしれません。

イギリス、ロンドンの研究(5)では繰り返し流産をした女性パートナーの精液・精子の質と

流産をしていない女性パートナーの精液・精子の質を比較しています。

その結果、DNA損傷レベルが2倍も高くDNA断片化率が高かったのです。

そして細胞DNAにダメージを与えるといわれている活性酸素濃度は4倍も高かったのです。

繰り返す流産の中クラミジア感染は1人もおらず、

活性酸素濃度の高さが精子の質を低下させてしまっている可能性が指摘されました。

抗酸化作用に注目ですね。できる点としては、男性は禁欲をしないはもちろんですが、

生活習慣に気をつける、女性ができる点としては食事面からのサポートもよいでしょう。

また男性の精子の質・精液所見には、夫婦関係や不安なども影響するため(6)、

いつまでも流産で落ち込んでいると夫婦関係に傷がはいってしまうケースもあるようです。

 

流産後は妊娠にかかる期間が延びる傾向に 焦らずリラックス

流産後はすぐに妊娠できるの?気になるところかもしれません。

研究からは、流産後は次にかかる妊娠までの期間は前回よりも延びるようです。

流産したから、次にすぐ授かるというものでもなければ、

妊娠できなくなるというわけでもありませんが、多少妊娠までに時間を要するようにはなる

傾向があるようです。

流産後に次の妊娠までにかかる時間について調べたアメリカの研究(7)では、

流産を経験した70組の方(女性の平均年齢30歳)で、次の妊娠が成立しました(61名は2回目、9名は3回目の妊娠)。

前回の妊娠と比べ、2回目で59%、3回目で43%の方が、前回より長い期間を要していたのです。

妊娠しやすさは2回目で0.42倍、3回目で0.64倍と有意に低下しました。

周期数では、平均1周期余分にかかったことになりますが、

25%以上の方は、3周期以上余分に妊娠までに時間がかかっていて、流産したら、すぐ次に妊娠できる

というものだけでもないようです。

 

流産後は夫婦で話し合い、思いやりながら

流産という経験は非常につらく悲しみを伴う体験です。

長く女性が引きずってしまうところもあります。

あの時に何で産んであげられなかったのだろう、あのまま妊娠が続いてくれていたら、

今頃はママになっていたのに、パパにしてあげられたのにと後悔に近い思いや、

流産したのを自分の性かもと責めてしまう事もあるかもしれませんね。

そのため適切なケアを受けながら

夫婦で良好な関係を築きながら過ごしていくことが次の妊娠しやすさにつながります。

流産後にネガティブな夫婦関係を構築した場合は、コミュニケーションが希薄になる、

性生活が減る、もしくはなくなるといった事や夫婦としてそもそも相手を尊重できなくなって

しまうという事になってしまうと妊娠していくという事どころではなくなってしまいます。

流産後には夫婦で話し合い、体験を共有し、

お互いに思いやりを持って接していかれるようにすることは欠かせない事ですね。

 

まとめ

流産後の生活についてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか?

早く次の赤ちゃんに会いたいと思う方も多いかもしれませんが、

流産は心身ともに多くのダメージを与えます。まずは、心身を休めることを優先にしましょうね。

 

参考文献

すみれレディースクリニック https://sumire-ladies.com

(2)Nobles CJ et al., Preconception blood pressure levels and reproductive outcomes in a prospective cohort of women attempting pregnancy. Hypertension. 2018 May;71(5):904-910.

(3)Fawzy M et al. Comparing 36.5℃ with 37℃ for human embryo culture: a prospective randomized controlled trial. Reprod Biomed Online. 2018 Mar 27. pii: S1472-6483(18)30107-X.

(5)Jayasena CN et al., Reduced Testicular Steroidogenesis and Increased Semen Oxidative Stress in Male Partners as Novel Markers of Recurrent Miscarriage. Clin Chem. 2019 Jan;65(1):161-169.

(6)Fertil Steril 2013; 99: 1565

(4)「女性の医学」佐藤孝道先生 ・流産の医学 仕組み、治療法、最善のケア ジョン・コーエン(みすず書房)「不育症」をあきらめない 牧野恒久(集英社新書)

(7)Hum Reprod 2014; 29: 2553

自然流産後の夫婦が感じた関係変化とその要因─体験者の記述内容分析から─日本助産学会誌 J. Jpn. Acad. Midwif., Vol. 20, No. 2, 8-21, 2006 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjam/20/2/20_2_2_8/_pdf

Aguilara D.C. & J.M. Messick (1994)/小松源助,荒川義子訳(1997b).危機介入の理論と実際─医療・看護・福祉のために─,162-168,東京:川島書店.
朝本明弘(1996).流産安田弘子(2004).

流産・死産・新生児死を経験した母親とその家族へのケア:ブリーブメント研究と悲しみを文章で表すことの効用,

ペリネイタルケア, 23(11),948-954.の原因と両親への援助,ペリネイタルケア, 15 (8), 7-11.

竹ノ上ケイ子,佐藤珠美,松山敏剛(2001).自然流産後の女性の心理(2)─夫の反応,妊娠への思い,性生活への思いに焦点を当てて─,日本助産学会雑誌,14(2), 5-17.

佐藤珠美,竹ノ上ケイ子,熊谷三津子,他(1999).流産後の心理変化(1)─流産直後の心理特徴─,日本助産学会雑誌, 12(3), 140-143.

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、自然妊娠カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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