精子の質が気になったら見直す 睡眠習慣のポイント
夫の精子の質を何とかしたい!本当は自然妊娠したいけれど、男性不妊で体外受精・顕微授精しか
残された道がないんです・・・そう悩まれている方もいらっしゃいます。
でも、男性の精子の質はかわるものです。
特に採精した時の男性の心身の状態によってかなり変化します。
そのため、実際に不妊治療しかないと医師から宣告されていても、
自然妊娠されている方を私は何度も見てきています。
自然妊娠を望む場合も、治療で結果を出したい場合でも、
夫の精子の質を高めるためにできる事は取り組んで欲しいと思われていませんか?
そんな精子の質を高める方法とポイントをお伝えしていきます。
精子の質に影響する睡眠
生活習慣を整えようとしたとき、一番に着目してほしいのは 睡眠です。
夫は帰りが遅くて、いつも仕事で疲れていて・・・
それが夫婦の性生活セックスレスの原因になっているとも感じている方がとても多くいます。
それくらい、仕事時間が多く、帰りが遅く、疲れている
そんなパートナー睡眠不足による精子の質の低下を招いていませんか?
大事な睡眠が不足しているがために、精子の質が悪くなっているという事も充分考えられます。
30代40代男性は深刻な睡眠不足な状態に
厚生労働省「平成29年「国民健康・栄養調査」の結果」によると、
40代での1日の平均睡眠時間が6時間未満となっているのが男性48.5%、女性52.4%
と非常に多く寝不足や十分な休息が取れていない状況が当たり前の生活に
なってしまっているといえるでしょう。
さらに、厚生労働省「平成29年「国民健康・栄養調査」の結果」より、
40代では、睡眠による休養が十分にとれていない者の割合は20.2%であり、
平成21年からの推移でみると有意に増加しています。さらに年齢階級別にみる他場合、
40歳代では最も高く30.9%と増加傾向にあります。
何かと社会的な役割や責任もかかってきて仕事面も家事もと忙しくなる40代
でも妊娠を望む場合はもっとも重要な睡眠による休息も確保していきたいところです。
研究による睡眠の理想的な時間とは
睡眠は、人間にとってかなり重要な役割を果たしていますが、
その睡眠は、長すぎても、短すぎても精子の質は低下することが研究で分かっています。
1日の睡眠時間が7-7.5時間より長くても、短くても、
DNAの成熟が不十分(未熟)となってしまい、
1日の睡眠時間が9時間以上、あるいは、6.5時間未満の男性は、
7-7.5時間の男性に比べると、精子の質が30~40%近く低下してしまいます。
日頃は、睡眠不足状態・・・そして精子の質は低下、
さらに、休日に睡眠負債を返済するかのようにたくさんの寝だめ
そうすることで、もっともっと精子の質は低下と悪化の一途をたどってしまうということになります。
寝不足も寝すぎも基本的にはNG
男性も毎日8時間睡眠を目指そう
アメリカとカナダからの研究でも、8時間睡眠をとっている男性の妊娠率を1とした場合は、
それよりも短くなっていっても、長くなっても低下する傾向がでています。(1)
睡眠時間が6時間未満の場合は、妊娠率が0.62、9時間以上でも0.73と低下しています。
睡眠は不足していくと慢性化してしまうため、やはり7から8時間は確保しておきましょう。
この研究からは、7〜9時間が最適という事が言われています。
睡眠は他の体の炎症反応やテストステロンの分泌量などとも関連しているため、不足していると
体の中の炎症レベルは高まってしまい細胞の老化ダメージは大きくなったり、
テストステロン低下につながってしまいます。
慢性化した睡眠不足が不妊に影響
疲れていても妊娠できるときはできます(ほとんどの人は…)。
ストレスや睡眠不足など、体に悪いことが続けば、精子の状態は悪くなるかもしれませんが、
浅田レディース不妊治療のQ&A より引用
ちょっとした疲れならば休むことで妊娠することは可能であり、大きな問題とは
ならないでしょうが、睡眠不足が長期化し慢性的であること、疲れが取れないことなどや
ストレスがかかることが続いてしまうことは男性も女性も妊娠しにくくなるように働いてしまいます。
年齢とともに男性も30代後半からはテストステロンの分泌が低下し、
精子の質が低下し妊孕性が低下します。
さらに、睡眠不足の場合、男性ホルモン分泌への悪影響も出ますし、
性欲減退へもつながりやすく性生活の回数そのものも減ってしまいがちです。
睡眠不足がもたらす様々な効果
万病のもとといわれるものに慢性炎症があります。炎症反応というのも細胞を
劣化させてしまいDNA損傷レベルが高まるものだからです。
睡眠時間と炎症反応についての関連性について調べた研究では、(2)
睡眠時間と炎症マーカーを調べていて、睡眠時間が7時間以下でも、9時間以上でも
そして夜中に何度も目が覚めても炎症物質が増えてしまっていたのです。
寝ないことで、体はどんどん目には見えにくい不調をきたし、肥満、心疾患や高血圧、糖尿病や
メンタルを病みやすくなったりと様々な影響が出るようになってしまいます。
良い眠りのための対策としては認知行動療法が有効
眠れない日が続くと「また今夜も眠れないのではないか」と不安になり、
「早く眠らなければ…」と焦れば焦るほど目が冴えてしまいます。不眠症の方が共通して経験する不安です。
「一過性で終わるはずだった不眠が慢性化して不眠症になる」、その背景にはこのような「不眠恐怖」があります。
眠れないのに我慢して無理に寝床にいる」と不眠が悪化することが分かっています。
この時間には眠らないとと思うとかえって不眠に傾いていってしまうため、
睡眠に重要なリラックスできる状況を作っていくことも大切です。
そのためには、睡眠に対する不眠対策には認知行動療法が有効となっているようです。
「この時間に寝なさい」と指示を出すことによるプレッシャーを回避して
「この時間までは絶対に寝ない」と決めることで、
うまく心理的なリアクタンスを減らせているのでしょう。
睡眠への不安を少しずつ消していくという目的のために、認知行動療法を取り入れてみましょう。
どれだけ妊娠しやすくするためには睡眠が大事で8時間寝なくてはいけないと思っても
かえって難しくなって睡眠不足をうまく解消できなくなってしまいますものね。
妊娠しやすさには男性も、女性も基本的に睡眠はとっても大事です。
まとめ
男性の精子の質が高まるのは、適度な睡眠時間で、適度に睡眠の質が良いことが重要です。
効率よく仕事ができるようになり、オーバーワークが減る。
ストレス軽減、寝つきが良くなるのに役立つのが瞑想です。
簡単に取り組めるマインドフルネス瞑想や、
かなりのリラックス効果や集中力を高めるのにも役立つ瞑想などもあります。
睡眠にも貢献し、精子の質を高めてくれる瞑想をご夫婦の妊活に取り入れてはいかがでしょうか?
せっかく妊活だという事で取り組んでいる食事や運動なども、
睡眠が不足してしまうと水の泡のようになってしまうから。
また、睡眠の質を高めていくためにできる事を取り組んでいきましょう。
参考文献
厚生労働省「平成29年「国民健康・栄養調査」の結果」
【男性不妊と睡眠の関係】睡眠不足は妊娠率を下げる場合アリ/livedoorニュースhttp://news.livedoor.com/article/detail/12285951/
不眠・睡眠不足と生活習慣病の深い関係http://www.kaimin-japan.jp/mechanism/lifestyle-related-diseases/
不妊治療のQ&A 浅田レディースクリニックhttps://ivf-asada.jp/huninqa/cat205/index_2.html
不妊外来のご案内 | 産婦人科 | 診療科 | 豊島病院 http://www.toshima-hp.jp/depts/maternity/infertility/index.html
Q&Aなかなか妊娠できない/おかだクリニック https://okada-w.com/cant_preg/
(1)Fertil Steril 2018; 109: 453 doi: 10.1016/j.fertnstert.2017.11.037
(2)July 1, 2016Volume 80, Issue 1, Pages 40–52