妊活中に必須!妊娠しやすくする食べ物と亜鉛
妊娠しやすい体は女性っ男性も性ホルモンバランスが整っていることが
とても大切ですね。ホルモンの影響によって、卵子も精子も活性化してきます。
妊娠しやすくするのに役立つ栄養にセックスミネラルと呼ばれる亜鉛があります。
不妊解消と亜鉛の関係について、妊娠しやすくホルモンバランスを整えていく栄養や食べ物、
栄養不足を起こしていないかのチェックをしていきましょう。
ホルモンバランスと関わる亜鉛
亜鉛が女性ホルモンの分泌を促す役割を持ちます。。
エストロゲンというホルモンは、ただ分泌されるだけでは意味がなく、
伝達物質なので、それを受け取る受容体が機能していることが重要になります。
エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌を整えたいという場合、
ただ分泌させる量を増やそうとしてもホルモンバランスは整わないという事がおきてきます。
受容体がうまく働いていない場合は、うまく伝達されなくなっていることが影響するからです。
エストロゲンがあっても受容体(レセプター)と連結しないと正しい情報を届けることができないので、
女性ホルモンの分泌がうまく整わないことがおきるということです。
この情報伝達をがスムーズにいくように役立つのが、亜鉛になります。
亜鉛はエストロゲンの指令をスムーズに伝わるようにしてくれている重要な栄養素となるわけですね。
卵子や精子の活性化に関わる亜鉛
生命活動を行う際に、必要となるのがセックスミネラルとも言われる亜鉛になります。
亜鉛は、卵巣や精巣にも多く含まれていて細胞の分裂を活性化させる役割もあります。
そのため、これらが不足すると・・・・!!! 器官や細胞がうまく機能しにくくなって
しまうという事です。
亜鉛は新陳代謝に関わる大事な栄養素であり、細胞の質をよくするために代謝を活性化させています。
そのため、この栄養が不足すると、妊娠しにくくなったり、妊娠できても流産しやすかったり、
赤ちゃんが無事に育ってくれないという事がおきてきます。
亜鉛は、精巣の発達、精子の成熟、テストステロンの合成にも関係しています。
女性では、亜鉛は性的発達、排卵、月経周期に影響しています。
葉酸と亜鉛の両方には、活性酸素種(ROS)に対抗する抗酸化特性も持っていますし、
精子の放出、卵胞閉鎖の調節、黄体の変性および、着床の際の子宮内膜の脱落にも
欠かせない栄養となっています。(1)
亜鉛不足は、髪が薄くなったり、やる気がでない、性欲がわかない、疲れやすいという形で現れたりもします。
思い当る場合は、今からでも積極的にとっていきましょう。
亜鉛の摂取目安量
一般的に1日の亜鉛の必要摂取量は6~7mgと言われてます。
厚生労働省によると多くても15mgにとどめる事が推奨されています。
亜鉛が妊娠しやすくするために効果的といって必要以上にサプリなどから摂取すると、
おもわぬ逆に妊娠しにくくなるリスクや副作用もあります。
亜鉛のとりすぎは今度は免疫力の低下につながります。
女性が精子を受け入れる、受精卵をとどめるには免疫寛容が必要になるのですが、
免疫バランスが崩れた状態では受精しにくい、着床しにくさに関わります。
あなたの亜鉛・セックスミネラル不足チェック
妊娠しやすい体つくりにおいて、亜鉛が足りているかチェックしていきましょう。
□爪に白い斑点がある
□味付けが濃い
□髪が抜けやすい
□傷の治りが悪い
□よく風邪を引く
□ファーストフードを良く食べる
□皮膚炎がおきやすい
□お腹を下しやすい
□やる気がでない
□性欲がわかない
チェックがひとつでもついたという場合は、この亜鉛を補うよう、食べ物から
積極的にとっていくようにしましょう。
亜鉛を摂取する上での注意点
また、亜鉛はアルコールによっても無駄にどんどん消費されてしまいます。
なので、お酒を飲まれる方は場合は特に注意が必要ですね。
また、充分食事からも補える栄養素なので、サプリなどから摂取する必要はなく
まずは食生活の見直しから行いましょう。
亜鉛不足はメンタルにも悪影響
亜鉛にはストレスからのダメージで脳細胞が死んでしまうを防ぐ働きもあります。
亜鉛にはBDNFという成分を分泌する働きがあり、脳のシナプスやら神経回路の発達にも関わっています。
そのためストレスをため込みやすい人ほど亜鉛が不足している傾向があるようです。
実際に、ストレスが多いという時期には、1日に25〜40mgの亜鉛を摂るのが望ましいようです。(2)
妊活中は人生に関わる大きな問題であり、またセクシャルでデリケートな悩みという事で
とても精神的にもつらくストレスをため込みやすく亜鉛も不足してしまっている可能性も高いです。
しっかりと補ってあげたいですね。
亜鉛は血糖値・糖化という問題の改善にも有効
甘いものは控える、精製された糖が不妊に影響しているという事が言われるようになりました。
糖化による老化の影響は生殖細胞の劣化につながっているからですね。
血糖値が高い状態はできるだけ避けたいところなのですが、
そんな糖化の問題にも亜鉛は有効なようです。(3)
亜鉛を取り入れたグループはすい臓の働きが良くなり、糖尿病の発症率が減少しています。
老化を食い止めるという点からも効果的に働きかけてくれている栄養ですね。
亜鉛によって妊娠率が変わってくる
亜鉛や葉酸、ビタミンCやビタミンBは抗酸化作用が高い物質
としても知られています。この抗酸化作用が高い状態が
妊娠にはどうしても必要なようですよ。
健康的な女性と不妊女性を比べた場合、活性酸素によって酸化
してしまう部分に対抗できるのかどうか、その抗酸化能を
多く持っているかも重要な点です。(4)
卵胞液中の抗酸化能を示すマーカーが高いほど、妊娠率に関係がありました。
ただ、妊娠の過程には活性酸素は生まれるし、それに対してうまく
対処してあげる適度な抗酸化能が重要としています。
そのため、卵胞中の偏った還元状態または酸化状態は
妊娠しにくくなってしまうようですね。
抗酸化作用がいいといっても、抗酸化剤を多量に摂取したら
いいかというとそうでもないようです。
銅と亜鉛との割合で着床率が変わってくる
2014〜2015年に胚移植を実施した方408名を対象に、銅亜鉛濃度と妊娠率(着床率)の関連について
調べた研究では(5)は、子宮内の銅濃度が高いと妊娠率(着床率)が低下がすることが知られていて、
厚生労働省の統計から、現代の日本人の食生活では銅の摂取量が多くそれに対して、
亜鉛の摂取量が必要以上に低下していることが報告されていて、
血中の銅濃度が高い場合にも妊娠率(着床率)低下の可能性があるのではないかとの仮説の元に
行われた研究で、銅濃度が高いと妊娠率が低下することを示しています。
銅の摂取が多く、亜鉛の摂取が少ないと妊娠率が低下するという事を示していて、
銅濃度160未満、銅/亜鉛比1.60未満だったようです。
亜鉛不足を招いてしまっている原因として、加工食品・インスタント食品の摂取もあるようです。
食品添加物である、EDTA、ポリリン酸、カルボキシメチルセルロースなどは
亜鉛をキレート(除去)してしまいます。
加工食品や食品添加物などは妊娠しにくくかかわる食になっていくのでNG食材として、
知っておいてできる限り減らしていけるとよいですね。
亜鉛不足だと精子の質は劣化する
亜鉛は男性の妊活でもとても重要な役割を果たします。
亜鉛の欠乏によって、男性の精子のパラメーターは悪くなります。
そのため、正常な精子機能および受精には男性の精液内の
精漿に適度な亜鉛濃度が含まれている必要性があります。(6)
多すぎても、少なくても良くないという事。
ただ、意外にも亜鉛の欠乏が必ずしも不妊の原因になるわけでは
なくリスクが高まるという感じのようです。
不妊男性の場合は中の亜鉛レベルが健康男性と比べ有意に低いようです。(7)
男性の場合は、タバコを吸っている場合は、精漿の中の亜鉛レベル
が低下してしまいます。喫煙が精子パラメーターに与える
影響はよくいわれていますよね。活性酸素ROSレベルが増得ることが
喫煙者や不妊症の男性は精液中の亜鉛欠乏・抗酸化物質レベルの減少、
および精液中の酸化ストレスにさらされやすくなってしまうという事です。
そのため、できるだけ体を酸化してしまうのもを避けていくことが大切です。
またタバコを吸っている男性や重度な亜鉛欠乏のケースでは、
亜鉛サプリによって改善がみられることがあるようですが、
とくに不妊がある男性については引き続き研究が必要とはしています。
亜鉛やセレンなどの微量元素は妊娠に大切
亜鉛やセレンなどの微量元素は女性の妊娠や出産にも関連してきます。
亜鉛やセリン濃度が低い場合、妊娠までにかかる期間が延びています。(8)
低い母体血漿亜鉛およびセレン濃度の場合は、妊娠までの期間が
約1ヶ月と関連し、セレン濃度が低いと不妊のリスクが46%高くなったのです。
不妊の女性と受胎可能な女性の絶対リスクの差は7%になりました。
このコホート研究で特定されたセレンや亜鉛欠乏症になっている割合が
高いことを考えると、妊娠前から亜鉛やセレンなどの微量元素を
食べ物から補っておくことで出生率の改善と確保に重要な意味を持つとされています。
セレンについては受精力のあるグループとやや受精力のあるグループ
の多くがマルチビタミンサプリメントを消費していない傾向がありました。
亜鉛サプリメントはどうなの?
亜鉛という栄養は妊娠において重要な事は確かだけれど、
亜鉛サプリになるとどうでしょうか・・・。男性不妊の場合は、
研究でも亜鉛と葉酸の摂取によってもともと受精能力が高い人は精子の数が
増えたという報告はあるものの、それが妊娠率に関わるかどうかは
不明という事も言われています。まだはっきりしていない部分もあるようですね。(9)
精子の質を改善させる可能性はあるものの、亜鉛サプリが妊活をしている
というものに数え上げてしまうのは危険な感じがします。
それよりは、食事や運動、睡眠などにも気をつけていきましょう。
亜鉛を多く含む食材
亜鉛やセレンなどの微量元素が含まれている食べ物はたくさんあり、
誰でも食べ物から充分摂取可能です。
魚や卵そして大豆など卵の卵黄にこの亜鉛が多く含まれていますし、
大豆を使っている納豆にも含まれています。牛肉レバーにも亜鉛が含まれています。(10)
鳥もも肉に亜鉛が含まれていますので、
もも肉を基本として食べるようにしているとより多く摂取できます。
特に、亜鉛が豊富に含まれている食べ物といえば「生牡蠣」(11)ですね。
それ以外にも、納豆,ごま,アーモンド,カシューナッツなど豆類にも多く含まれています。
動物性のタンパク質や豆類のタンパク質から摂取できるので、
定食スタイルでおかずを取り入れられる食事スタイルで
3度の規則正しい食事を心が得るとよいでしょう。
地中海式の食事療法を目安にタンパク質をどういた種類をどれくらいの頻度で食べていくと
よいかを参考にしてみましょう。
亜鉛の吸収を助ける栄養素と食べ物
亜鉛は、単体で食べ物から栄養を吸収しようとするより、
他の食品に含まれるクエン酸やビタミンC などの栄養を含む食べ物と摂取することで
効率がよくなります。厚生労働省によると、亜鉛吸収率は約30%程度とされています。
そのため、吸収しやすいように食べ方や調理を工夫するとよくなります。
ビタミンCは野菜や果物に多く含まれていて、体をさびにくくさせる
抗酸化作用があります。ビタミンCには、キレート作用という、
亜鉛を包み込んで酸化を防ぐ作用をもつため、
体内に効率よく亜鉛を吸収できるようになるようです。
ビタミンCやクエン酸を多く含む食品としては、
苺やレモン、柑橘類、などには多く含まれます。
1060人の女性を対象にした研究では、12か月未満で妊娠した人894人(84.3%)
と妊娠に12か月以上かかった人の166人(15.7%)を比較してみたら、
妊娠に時間がかかった女性の特徴は次のようでした。
性交の頻度が低く、妊娠前の飲酒率が低く、果物(1日3回以上の割合が)の消費率が低く、
魚の消費率(1回以上/週)が高く、女性が妊娠初期にマルチビタミンを消費しました。
サプリメントからというよりは、細かい果物摂取もとても重要になるという事ですね。(8)
ホルモンバランスを整える際に
妊娠しやすくするためには、女性でしたらエストロゲンやプロゲステロンなどが
バランスよく分泌されることで妊娠の重要な受精から着床といった過程が問題なく
進んでいきます。そのために亜鉛を摂取して器官や細胞の機能を高める、
ホルモンの受容体レセプターへの受け渡しがスムーズになるようにしてあげるという視点も必要です。
しかし、ストレスなどを抱えていると、活性酸素やコルチゾールやアドレナリンといった
体を劣化させやすい物質にさらされてしまうため気をつけて欲しい部分です。
実際にメンタルケアやカウンセリングを受けた場合、安心感をもて、
妊娠率が高まるといわれています。
まとめ
不妊で悩んでいる時には、亜鉛を摂取して食事に気を付けても、中々効果が出ない事もあります。
精神的に抱えるストレス・ネガティブな感情や考えを手放せなくて、
不安や焦り、ひどく落ち込むこともあるでしょう。
ストレスを抱えるほど、自律神経の乱れやホルモンバランスを乱し
妊娠しにくくなってしまいます。
受精後もすくすくと育って、ママのおなかの中で大きくなり出産にまで行き着けるような
赤ちゃんを育めるような体つくりは心のケアからが基本になるので、
整えられているか振り返ってみましょう。
妊娠に必要な栄養素としては亜鉛も大事ですが、他の栄養素と合わせてバランスよく摂取していきましょう。
参考文献
1Hum Reprod Update. 2007 Mar-Apr;13(2):163-74. Epub 2006 Nov 11.The importance of folate, zinc and antioxidants in the pathogenesis and prevention of subfertility.
2 Potential roles of zinc in the pathophysiology and treatment of major depressive disorder.Neurosci Biobehav Rev. 2013 Jun;37(5):911-29. doi: 10.1016/j.neubiorev.2013.03.018. Epub 2013 Apr 6.