痩せたら妊娠しやすい 妊活では体型と体脂肪率に注目

痩せたら妊娠しやすい 妊活では体型と体脂肪率に注目

運動する女性

妊娠しにくさに影響をあたえているもので、肥満というのがあります。

そのため、妊娠しやすくするために適正な体型におさまるように

ダイエットに取り組んで痩せた方が妊娠しやすいといわれています。

また、それによって妊娠するまでの期間変わってくることも

言われています。(1

 

体型BMIによって不妊や妊娠までの期間が違う

痩せすぎでも、太りすぎでも、生殖機能には影響がでてきてしまいます。

とくに日本人はじめアジア系のひとはもともと痩せ方が多いため、

肥満の影響をうけやすくなってしまいます。

体型によって無排卵になってしまったり、生殖ホルモンの分泌や

エネルギー代謝にも影響がでてくるため、不妊と関連することが言われています。

排卵障害と原因不明の原因は、不妊の原因の約50%以上を占めているとも

言われています。そして、その中でもかなりの割合が

直接的または間接的に肥満に関連しているとされています。

また肥満は世界的にも手も増えていて、一部の先進国では50%を

超えているともいわれていて生活習慣病のように関連して、

病気や死亡率に関する結果も増加しています。

肥満の問題はずっと先に何となく現れるのではなく、

妊活中の女性にダイレクトに無排卵、不妊、流産しやすい

生まれる新生児や母親の妊娠不良を含むさまざまな生殖後遺症に

影響がでてしまうもので、早めに対処しておいた方がよいものに

なっています。(2

 

妊娠しやすさに影響する体型 アジア系の研究

妊娠しやすさと体型について、人種によっても違いがあります。

日本人はアジア系ですので、参考になる研究からみていきましょう。

シンガポールの2015~2017に出産を計画し登録した

477人のアジア系(中国、マレー、インド)女性のデータをもとに

した妊娠前のコホート研究です。(3

それでは、体型をみるBMIだけでなく、全体的な脂肪過多が問題になるのか

メタボ体型のような中央脂肪症が不妊に影響がでたのかも見てくれています。

 

全体的脂肪過多については、BMI、4部位皮膚厚の合計(SFT)総体脂肪率をチェック。

中央脂肪症は、ウエスト周囲長(WC)、ウエストとヒップの比率(WHR)、

ウエストと身長の比率(WHtR)、Aボディシェイプインデックス(ABSI)でチェック。

 

その結果、18.5〜22.9キロ/ Mの通常のBMIを有する女性が最も

妊娠率がよく、BMIが23~27.4(0.66) BMIが27.5以上(0.53)

になるにつれ妊娠率が低下しています。

 

体全体の皮下脂肪の厚さも妊娠しにくさに影響

4部位皮膚厚の合計が最も低い四分位(25-52.9mm)の人と

比べて、≥90.1mmの最も高い四分位の女性は妊娠率が0.58と引くく

なりました。総体脂肪率が(13.6-27.2%)最低四分位の人と

比べて、33.0-39.7%の人は0.56(95%CI 0.32、0.98)

および≥39.8%の上位2分の4の女性は妊娠率0.43と低く

妊娠しにくさに関係していました。

その中でも、とくに未産婦さんで顕著な傾向がでていました。

一方、中枢性脂肪症、メタボ体型は女性の場合は、

受胎能とは関連していなかったのです。

お腹周りについている脂肪よりも全体的につく脂肪によって

不妊リスクは高まっているようですね。

アジア系の人では、妊娠しやすさの目安として、

BMIは18.5〜22.9キロ/ M 総体脂肪率が(13.6-27.2%)の

範囲に入るように調整していくのが望ましいですね。

ただ痩せればよいという事ではなく、体の中で構成されている

質を重要視したダイエットである必要性もでてきます。

 

肥満の人はカロリーの見積もり違いに

肥満の人は、摂取カロリー数が多くなってしまっているというのが

どうしてもあります。そんなに食べていないのに、痩せないとか

太ってしまうそう思っている人も実は少なくはありません。

でも、実際は自分が想像している以上にカロリー摂取をしてしまって

いるという事が言われています。カロリーの見積もりが

あまく、思っているのと、実際に食べている量が違ってしまっているし、

運動などで消費した量を過大評価してしまっているといわれています。(4)

とくに、よくかまない、早食い、揚げ物や

外食では思った以上にカロリー摂取をしてしまう原因にもなっています。

痩せたい場合はマインドフルネスレベルを高めていって、

自分の食行動を客観的に見つめ直してみるとダイエットでも成功すると

いわれています。どんなものをどれくらい食べているのか

記録をつけてみるとよいという事ですね。

そしてダイエットにおいて重要なのはカロリーそものものりも摂取している

カロリーの質の方だといわれています。

例えばゼロカロリー飲料とかありますが、カロリーはないはずなのに、

逆に太ってしまいます。怖いですよね。

 

まとめ

妊娠しやすさに体型の部分も影響がでますが、

総体脂肪率も関係していて、総体脂肪率が高いほど、

体の中の炎症レベルも高まりやすく、着床環境にも

悪影響なので、妊娠にはやはり不向き。

炎症レベルが高まると、より運動不足で食行動もダイエットに

不向きなような行動を無意識にとってしまうといわれています。(5

体型だけでなく、体脂肪率も適正範囲に入れた方が妊娠率は

高まっていくようです。

体重が増えたり、肥満の改善に向けて、地中海式食事ダイエット

など取り入れて食べるものの見直しをしていきましょう。

 

参考文献

(1) 2016 Aug;106(2):451-9. doi: 10.1016/j.fertnstert.2016.04.011. Epub 2016 Apr 25.Body mass index, physical activity and fecundability in a North American preconception cohort study.

(2) 2015 May;29(4):498-506. doi: 10.1016/j.bpobgyn.2014.10.014. Epub 2014 Nov 7.Female obesity and infertility.

(3)Hum Reprod. 2018 Nov 1; 33(11): 2141–2149.doi: 10.1093/humrep/dey300Female adiposity and time-to-pregnancy: a multiethnic prospective cohort

(4) 1992 Dec 31;327(27):1893-8.Discrepancy between self-reported and actual caloric intake and exercise in obese subjects.

(5)ArticlePublished: C-reactive protein is associated with cognitive performance in a large cohort of euthymic patients with bipolar disorder

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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