不妊ストレス改善!思考のアンバランスを変える心理学

不妊ストレス改善!思考のアンバランスを変える心理学

下腹部にハート女性生理

割ほど不妊ストレスを抱えない人はいないというくらいストレスをみんな感じますし、

長期化するほど、蓄積したストレスでうつっぽくなったり自殺まで考えてしまう人すら

いるのです。自分の子供を妊娠できないという不安や焦りはとっても苦しいですよね。

ストレスからPMSの症状が重く出てしまう女性もいます。

妊娠しない悩みは心のストレスとなって健康を損ないかねないため、適切なケアと

対処法をとることが妊娠しやすさのためにも必要ですね。

 

ストレスの3大原因とは?

なぜ、私たちはストレスを抱え、また抱えているとどんどんそれが膨らんで

些細な事でも過剰に反応して感情的になってしまうのでしょうか。

ストレスを抱えてしまう3大原因は以下の3つといわれています。

 

・物事のとらえ方(認知)・思考のアンバランス

・食べもものアンバランス(不摂生)

・受容(自分の人生に起きている現実を受け入れる)のアンバランス

 

特に、物事のとらえ方や受容は心の癖であり、自分でもきづかない無意識に

行っている考えでもあり思いこんだらなかなか変える事は難しいので

すぐにストレスがパッと消えてなくなるということは難しいですが、

取り組むことで変わっていかれるうえに、人生における大きな影響を及ぼすように

なるため取り組んで欲しいところです。

手っ取り早いストレス発散法などはかえって後で罪悪感を感じやすいため

効果的ではありません。私たちは日々の中でたくさん物事を考え処理しています。

その都度、ストレスを感じ酸化ストレスにさらされていると、細胞はダメージを受けてしまうのです。

卵子や精子もこの酸化ストレスにさらされると劣化してしまいます。

最近の研究では、ストレスは喫煙や肥満よりも健康度を低下させ、有害と判明しています。

 

ストレスは死亡率を高める、喫煙よりも有害レベル!

悩む落ち込む女性

研究によっては孤独感などのストレスはタバコよりも有害と言われています。

というのもかなりの確率で死亡率を高めていくからです。

米国で今も続く反響を呼んだ研究では、

シカゴ大学の心理学者ジョン・カシオポ博士たちが2014年2月に行った

アメリカ科学振興協会(American Association for the Advancement of Science:AAAS)の学会での報告です。

http://news.uchicago.edu/article/2014/02/16/aaas-2014-loneliness-major-health-risk-older-adults

 

メタ分析によると、孤独による早死は肥満の2倍の影響を与えるという結果だというので驚きです。

また、孤独感は空腹や痛みと同じように、人間や動物にとっての警告信号だと言われています。

孤立という状況は生存や生殖に影響する可能性があり、

孤独感は社会との繋がりを再構築する強い動機付けになるといわれています。

他の人々から隔離されているという感覚は、睡眠不足や血圧上昇を招きます。

また、ストレスホルモンであるコルチゾールの上昇が午前中に見られたり、

免疫細胞の遺伝子発現を変化させたりして、幸福感を自覚しにくい状態を引き起こすとしています。

そのため孤独感とうつは隣り合わせにもある状態です。

 

不妊はストレスや生活習慣病が招いた結果でも

悩み考え込む女性

不妊という、妊娠がなかなかできない生殖能力の低下は、ストレスや生活習慣が

まねいた結果でもあります。でもだからと言ってそれを放置していても、

妊娠しやすくはなれません。そのため、地道なようでいても、生活習慣を改善していく、

自分の思考のアンバランスさを客観的にとらえる事、受容することを行い、

ストレスのケアをしていきましょう。焦っているときほど、すぐに結果が欲しものです。

でも焦っているときほど重要な行動ができなくもなって、結果は変わらず、

事態は悪化しやすいのです。

 

思考のアンバランスが招く不妊ストレス

客観性がない、事実にもとづかない思い込みが、ストレスを招いてしまうものです。

あなたの考え方やモノの見方がアンバランスだとストレスを強く感じる様になって

しまいます。

生理が来たら、私はダメだ。私は妊娠できる能力がないんだ。

私は劣っているんだ。私はこのまま妊娠できないのかもしれない。

私はいつもうまくいかない。私は人生ついていない。

妊娠しないのは、夫のせいだ。夫はいつも協力してくれない。

 

物事がおきた時に、自分を責めるか、相手を責めるかは違いはあるものの、

何か判断しているものです。おきた物事に対してジャッジしているようでも、

意外と正しく客観的に判断できるものではなく、心理学の世界では

様々なタイプの思考のアンバランスが確認されています。

どんなジャッジをするかで、自分がその後に受ける影響や受け取る結果が変わってくるという事が

心理学者アルバートエリスによって、ABC理論によって説明しています。

A(activating events) 出来事

B (believe)  信念

C   (consequence) 結果

 

Aは必ず、Bを経由してどのようなCを作り出すかを方向付けると考えています。

AとCの間にあるBの在り方、考え癖(心の癖)が結果を変えるのにとても重要になるため、

認知行動療法では、Bを変えるべく取り組み、その後に続く結果を変えていくようにします。

 

非合理的な信念がストレスを生み、妊娠につながらない

認知行動療法では、このB (believe)  信念には、合理的な信念と、非合理的な信念

があり、ストレスや悩みを引き起こしてくるのは非合理的な信念と考えます。

また抑うつ的になりやすい、ストレスを抱え込みやすい人には、

この非合理的な信念をもっているという特徴があります。そのため、認知行動療法では、

カウンセラーが、非合理的な信念を合理的になるように導いていきます。

 

こんなアンバランスな思考は要注意!

明確な裏付け名がない、根拠がない、ハッキリと証明できないことでも

こうだと決めつけてジャッジしてしまっていては、物事はうまくいかないどころか

受け取る結果だって変わってきてしまうものです。

 

 

例えば、妊娠しなかったから私はダメだと決めつけてしまった場合、

だめだから仕方がない、そう思って何も改善のためのことも考えませんし、

行動もできないのでまた生理がくるを繰り返してしまいます。

でも生理が来たら、食事を気を付けて規則正しく生活するように気をつければいいと思えた!

とジャッジしたらその点を改善して過ごすことができます。その結果妊娠に至るという結果に

変える事も可能です。

 

非合理的な信念は・・・

一般化・・・たった一つのことを、いつも、みんなと考えてしまう

個人化・・・なんでも自分の性だと考えてしまう

外部化・・・なんでも人のせいにしてしまう考え方

心の読みすぎ・・・人の些細な言動に、理由をつけては傷つく

先読み・・・ずっと先のことを具体的に想像しては不安になる

感情の重視・・・その時わきおこった感情に振り回されて、これから起きる事を予測する

すべき思考・・・~すべき、~すべきではないという2者択一で考える

自己関連付け・・・自分とは関係がないことでも自分に関連付けて考える

白黒思考・・・何事もよいか悪いか決めないと気が済まない

ラベリング・・・他人や自分にレッテルを貼る

読心・・・他人が思っていなそうなことを勝手に推測する

 

どれも、誰もが気にもせずしてしまっているものが殆どかもしれません。

でもこのような反射的に無意識にしているジャッジがストレスにつながっています。

この思考のアンバランスを整えるための特効薬はありませんが、取り組めば、

うつの人だったら薬よりも良い効果がでるとも言われ、ストレスから解放されていくものです。

 

自動思考キャッチトレーニングでストレスケア

不仲けんか夫婦意見食い違う

不妊でストレスを抱えている人は妊活中では約9割ほどの人が抱え、不妊治療中場合は

ほとんどは適切なストレスケアができている状態とはいえないという事も研究で言われています。

そのため、こういったストレスを生み出す思考のアンバランスを整えるように

取り組むケアを受けたり、自分でセルフケアできるようにしていきましょう。

自動思考キャッチトレーニングは認知行動療法で、セラピーに使われる技法で2017年には大規模なメタ解析されていて

信頼性がたかくストレスケアに有効なものになります。

私たちの脳は『24時間鳴りやまないラジオ』に例えられます。いつも、無意識にずっと何か考え事を

しています。働き者な脳は、私たちが眠っている間ですら活動を続けているのです。

非合理的な思考はしないようにしようと思っただけで簡単に変えられるのではなく、

かなり無意識に自動化されてしまっているため、自分にとって良くない思考でも

どんどん繰り返してしまう上に、本人がそれに気づかないという点が問題です。

 

ふと心に浮かぶ思考とイメージのことを自動思考といいますが、

今日もいい天気だなぁという自動思考は自分にとって有害にはなりませんが、

あぁ、いつまで私はこんな生活を続けなきゃいけないんだろう。

また来月も生理がきたらおちこむなぁ。

こういった自動思考は都度ストレスを生み出します。

でもこういった自動思考は人は1日に50000もしているといわれています。

ものすごい量の思考が浮かんでいるうえに、そのなかに非合理的な信念によって

思考がアンバランスだったらどうでしょう。とんでもなく常に心と体は

不健康になってしまいますよね。

そのため、この自動で起こっている思考をまずは捉える事からですね。

 

自分の自動思考に気づくトレーニング

悩む・考える女性 

認知行動療法の創始者であるベックによると、まずはシンプルに自分の中に浮かんだ思考を

意識するようにすることから。自動思考にアンバランスや歪みが出ていないかを

日々チェックするだけでも精神的なストレスが軽減していきます。

 

シンプルソートレコード 自動思考を記録してみよう

ストレスを感じた状況・その時の感情・その時の思考とイメージ3点について

記録してみるようにしましょう。少なくとも2週間ほどつづけてみると、

自分の自動思考のくせがわかるようになってきます。

 

ストレスを感じた状況・・・

自分がストレスを感じたのはいつのどんな場面で誰だったのか

人や場所や時間なども書くようにしましょう。

 

その時の感情・・・

ストレスを感じた時にどんな感情を抱いたのか書き出してみましょう。

それぞれの感情がどれくらいの割合を占めるのかも書くとよいです。

悲しみ20%、怒り80%などです。

 

その時の思考とイメージ・・・

その時にどんなことを考えてどんなイメージをもったのかを書くようにしましょう。

 

全てのストレスについて書き出す必要性はないため、

1日の終わりに今日何が一番つらかったかと問いかけて振り返りをしてみるのもよいでしょう。

 

 

まとめ

妊活中のストレスは、とてもつらく、女性が本来の自分の人生や

生活を満足して過ごせない原因にもなっています。

そんなストレスはさらに妊娠しにくくも働くため介入が必要といわれています。

その点に、認知行動療法のように、まずは自分の自動思考をキャッチして

それを整えていくという作業をカウンセリングセッションの中で

行っていくことが有効とされています。

不妊で悩む女性の多くは不安を抱えさらにうつと診断されるレベルまで

苦しんでいる人も35%くらいといわれています。妊活では、思いやりをもって接し、

ストレスケアをセットで同時に行っていきましょう。

 

 

参考文献

不妊女性が受療中に経験した非支援的状況の分析 日本生殖看護学会誌 5(1), 4-10, 2008-06

長岡由紀子:不妊治療を受けている女性の抱えている悩みと取り組み,日本助産学会誌,14(2),18‐ 27,2001

阿部正子:体外受精を受療している不妊女性の治療継続の経験的プロセス。日本生殖看護学会会誌4(1),34・41, 2007

長岡由紀子:不妊治療を受けている女性の抱えている悩みと取り組み,日本助産学会詰,14(2):18‐ 27,2001

中嶋文子,阿部正子,宮田久枝:不妊原因別にみた不妊治療中の女性の医療に姑する要望の分析,滋賀母性衛生学会誌,6(1):38‐43,2006

橋村富子:生殖補助医療と看護の役割‐相談事例からARTを考える,臨床看護,33(6):879‐ 384,2007

この記事の著者

保健師・看護師

岡田和子

山梨医科大学卒業、看護師・保健師国家資格取得。 NPO法人日本不妊カウンセリング学会所属。
病院や企業にて心と体の健康管理に12年従事した後、不妊カウンセラーとしてパーソナルカウンセリングを行う。

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